盗品17つ。 ページ19
『で、この【レプリカ】どうするの？』
興味本意で尋ねてみると、【レトさん】は、うーん、と手を顎に当てて考え出す。
そうして、どこがいい？と私を見てそう告げる。
仮面の奥はきっと大好きな笑顔で笑っているんだろう。
『うーん、そうだなぁ。それじゃ私のオススメのカフェに届けてあげてよ。』
少し古い感じの店だから、似合うと思うよ。と私が微笑むと。
【レトさん】はそこに届けるね。と私の頭を撫でた。
『あ、【レトさん】早く逃げなよ。きっとキヨさんにすぐバレちゃう…！』
きゅ、と腕を掴んでそう言うけれど、彼は私を撫でる手を止めない。
慌てず、私を離さない怜斗にねぇ、と問うと。
レト「安心して。此処は国立美術館じゃないから。もう俺の家。」
『………、え？』
は？、と思いキョロキョロと周りを見渡すけど、どう見ても知らない部屋。
こ、こんな部屋あったんだ…
レト「いや、【つわはすくん】が【助手さん】を連れてきて、それで俺達びっくりしちゃって。
行く宛も無いし、連れてきたんだよね。ごめんね。」
『うん、良いよ。【レトさん】なら構わない。』
私がそう微笑むと、彼は安心したようにまた私を抱き締める。
ぎゅうう、と。良かったぁ、なんて安堵の声さえも聴こえる。
私はそんな怜斗に笑うと、
『私ね、昔幼馴染みにね。怪盗は嫌いって言っちゃったんだ。』
と、呟く。
すると怜斗の動きは一瞬ピタリ、と止まりまた辛そうに腕の力を強くする。
そんな怜斗の背中に手を回して、私は言葉を続けた。
『でもね、それは小さい時に読んだ本の勝手な考察で。【レトさん】がテレビでニュースになった時に、かっこいいな。って思ってね？
本当は私はかっこいい怪盗が大好きなんだって分かっちゃって。その幼馴染みには【レトさん】を捕まえる！って言ってるんだけど。
……本当は捕まえたくないよ…』
怜斗の胸に頭を預け、我が儘かな？、と問う。
すると怜斗はううん、と言いずっとそうでいて。と呟いた。
ねぇ、レト。
レトレト。
昔から変わらない。
あの時、私は君がもっと大好きになったんだ。
だから、無理しないで。
お願い。お願い。
『大好き…だから…無理しないで、よ…』
ぽつり、と呟いた言葉。
その言葉が怜斗に対してなのか。
【怪盗レトルト】に対してなのか。もう私は分からなくなっていた。
だけど、これだけは言える。
私が貴方を大好きなのは変わらない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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花園 零汰。 - すごい楽しかったです！怪盗レトルト、好きになりました！( ^ω^ ) (2016年3月24日 18時) (
レス) id: 08897a7388 (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - ゼットさん» ゼットさんに楽しんでいただけて良かったです*前にもコメントくれましたよね(笑)一番と言って貰えて嬉しいです…!!完結後もなんてそんな嬉しいお言葉…!!勿体ないです勿体ない!!(笑)いつも応援してくださってありがとうございました！ (2016年3月7日 22時) (レス) id: 31ff77ba4e (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - さあやさん» 返信遅くなってごめんなさい！最後まで応援して下さりありがとうございました!!友達も言ってました(笑)案外友達の反応は良いんですよね…また似たような話書きたいですo(^ω^o) こちらこそ、ありがとうございました!! (2016年3月7日 22時) (レス) id: 31ff77ba4e (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - 右京大河#ポン酢さん» そうなんだ(笑)返信遅くなってごめん;バイトいつもお疲れ様！わわわ、本当にありがとう…(><// ぴーちゃんとはすくんのコンビ好きだからどうしてもそうなっちゃうんだ(笑)平和組は可愛いと言い切れる!(笑) (2016年3月7日 22時) (レス) id: 31ff77ba4e (このIDを非表示/違反報告)
ゼット(プロフ) - 完結...終わってしまったぁぁ(´^`°。)個人的にいま読んでいるお話の中で1番好きな作品で、完結後も自分の中ではずっと1番だと思います！!本当にお疲れ様でした！ (2016年3月7日 0時) (レス) id: d6597e3aac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：書店員。
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syotenin711/
作成日時：2015年7月21日 16時
