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協議離婚。
母子家庭。
そうだった。
この人は、さっきから、『旦那』とも言わず『夫』とも言わず、一貫して――『真冬の父親』と言っている。
「だから――あてつけよ。僕はあなた達みたいにはならないという、真冬の声が聞こえてくるかのようだったわ。
実際に――そうなんでしょうね。あなた達は、本当に、楽しそうだった」
「そりゃ、まあ……全く楽しくなかったといえば、嘘になりますけれど……あいつの滅茶苦茶は、なんだか、いつものことですし」
あれ？
この言い方は失礼になるのか？
額面通りに息子の悪口と受け取られてしまったら……私としてはむしろ褒めているくらいのつもりだけど、言われる側の気持ちになってみれば、こんな、親しいがゆえの憎まれ口みたいなのって、場合によっては不愉快な言動と受け取られるかも……ううん、基準がわからない。
ていうか、なんだこの独り相撲。
今の私、ものすごく格好悪くない？
「真冬は愛する側の人間だから」
相川母は言う。
「だから、しかるべき相手には、全体重をゆだねる。全力で甘える。
愛するっていうのは、求めるってことだからね。
自分の息子のことでなんだけど、恋人にするには、重過ぎる子だと思うわ」
「重過ぎる――ですか」
それも、なんだか。
皮肉な話だな。
「情けない限りだけど、私じゃ、真冬を支えきれなかった。
だから、あの子は随分と前から、私に甘えようとはしなくなったわ」
「…………」
「いつだったか、ホッチキスを振り回して暴れた……あれが最後ね」
母親に対してもそんなことをしていたのか。
それはもう家庭内暴力じゃ……。
「でも――この間、久し振りに、本当に久し振りに、真冬から、頼みごとをされたのよ。仕事を手伝わせて欲しい――と」
思い入れを込めて、静かに語る相川母親。
「そして、今回よ。両方――あなたが絡んでいる。あの子を変えることができるなんて、蒼音ちゃんは本当に大したものだと思うわ」
「……随分高く買ってもらっているようで、恐縮ですけれど……、でも、そんなの、たまたまだと思いますよ」
堪えきれず、とうとう、私は言った。なんだか、誤解を基準にして褒められているような気分になったのだ。
間違えた高評価。正直それは、いい気分とは言いがたい。
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灰猫(プロフ) - きゆかさん» 初コメありがとうございます！ヮー！！更新遅くてすみません……！！これからも読んで頂けると幸いです！！ (2022年9月7日 21時) (
レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 初コメ失礼します、更新うれしいですありがとうございます…！！いつも楽しく読ませていただいてます！これからも応援してます✨ (2022年9月7日 20時) (レス) @page48 id: 533f2abba6 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - realさん» わー！いつもありがとうございます！！これで化は終わりなのでせめて最後まで頑張ります！！ (2022年8月15日 0時) (レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 毎回コメント失礼します。あ、めちゃくちゃ待ってましたキャットターン()今回も最後まで楽しませて頂きます！ (2022年8月10日 19時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年8月2日 17時
