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「ゴールデンウィークの続き……俺が忘れている――こと、だよね」
「忘れたまんまの方がいいよ」
「うん、そうなんだとは思う……けど、記憶の辻褄があわないっていうのは、なんていうか、とても気持ちが悪いの。すっぽり抜け落ちてる、欠落感があって」
それは欠落感じゃなく。
喪失感――だと思う。
「まあ、言っちゃ何だけど、私はちょっと安心したよ。
それならそれで――対処のしようがある。天宮の記憶にはなくとも、私にとっちゃ、既に一度経験したことだからね。
それを繰り返せば、無事に解決する。今度はより念入りに、入念に――だ」
「そう――なんだ」
そう聞いた途端、露骨な安堵を見せる天宮。
まあ、そりゃ、記憶も一緒にいくらか戻っているとは言え、朝起きたら突然頭から猫耳が生えていたりしたら、誰だってパニックに陥るよな……。
パジャマのまま家を飛び出しても無理はない。
そういうとき――
天宮は、家にこもれないのだ。
「よし。じゃあ、話も整理できたし、歌詞さんのところにゆくとしよう。
……まさか天宮、自転車の二人乗りは法律違反だなんて、そんなこと、言わないよね？」
「言いたいところだけれど」
天宮はベンチから立った。
「見逃してあげる。Aちゃんに学校サボらせたのと、これとで、チャラね」
いや、それでチャラになるのはおかしくないか？ 両方お前の都合じゃん。
意外とあざといことをするな、こいつ……。
というより、これは天宮一流のジョークだろう。
照れ隠しと言ってもいいかもしれない。
「肩でも貸そうか？ 疲れてるみたいだけど」
「大丈夫。言ったでしょ？ 頭痛はもうないから……疲れてるのは、精神的に疲れてるだけよ。身体の方は、いつもより調子がいいくらい」
「あっそ」
まあ、猫だからな。
月崎の猿のときも、そうだった。
自転車置き場まで移動して、かけておいた鍵を外し、まずは私がサドルに跨り、続いて天宮が、後部座席に座った。
天宮の腕が私の胴に回されて、ぎゅっと。
密着する。
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灰猫(プロフ) - きゆかさん» 初コメありがとうございます！ヮー！！更新遅くてすみません……！！これからも読んで頂けると幸いです！！ (2022年9月7日 21時) (
レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 初コメ失礼します、更新うれしいですありがとうございます…！！いつも楽しく読ませていただいてます！これからも応援してます✨ (2022年9月7日 20時) (レス) @page48 id: 533f2abba6 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - realさん» わー！いつもありがとうございます！！これで化は終わりなのでせめて最後まで頑張ります！！ (2022年8月15日 0時) (レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 毎回コメント失礼します。あ、めちゃくちゃ待ってましたキャットターン()今回も最後まで楽しませて頂きます！ (2022年8月10日 19時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年8月2日 17時
