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髪をセットしていない状態の天宮を、私は初めて見る……当たり前のことだが、セットされていない天宮の髪は、随分と長いように感じる。見た感じ、相川よりも長そうだ。
その髪に、天宮はハンチング帽をかぶせている。
帽子をかぶった天宮というのも、初めてだ。
「……あ、Aちゃん」
そこで、ようやく天宮は私に気付いた。今まで、自分の身体を抱えるように俯く姿勢を取っていたので、正面にいる私に気付かなかったらしい。
その表情は、心なし、焦燥している。
ように見える。
「駄目じゃん――自転車で公園に乗り込んできたら。ちゃんと駐輪場があるんだから、そこに停めてこないと」
出会いがしらに注意を受けた。
さすが天宮。
「そんなことを言ってる場合じゃないでしょうが――大体、学校サボらせといて、今更自転車のことなんて」
「それとこれとは問題が別だよ。早く停めてくる」
「…………」
むう、頭ごなしな物言いだ。
忠犬よろしく駆けつけた私に対して、まず労いの言葉とかはないのだろうか？
しかしここで私が文句を言っても始まらない。
天宮の言うことも確かだ。
私は「わかったよ」と言って、自転車から降り、広場から離れた駐輪場まで、押して歩いた。
五月十四日にも見た、錆び付いたボロボロの自転車が、変わらずそこには停められていた。
その横に並べて、私は自転車を置き、鍵をかける。
まあ、相変わらず人っ子一人いない公園だし(休日だろうが平日だろうが関係ないらしい)、鍵をかける必要はあんまり感じないけれど……。
広場に戻る。
ベンチに座っている天宮。
……薄手の上着である程度覆い隠されてるけど、あのだぼだぼのズボン、あれってどう見ても、色合いといい生地といい、パジャマだよな……。
じゃあ、上着の下も、パジャマか……サンダルもつっかけって感じだし。
寝起きの寝覚めに、上着だけを羽織って、そのまま家を飛び出したってところなのだろうか……。
「ごめんね、Aちゃん」
天宮の前にまで行き至ると、謝られた。
労いの言葉でこそなかったが。
「学校、サボらせちゃって」
「ああ、いや――別に。そんな風に聞こえちゃった？ 皮肉で言ったわけじゃないよ」
「でも、心配しないで――ちゃんと計算してるから。
今日の時間割なら、一日、全部欠席しても、Aちゃん、何の問題もないから」
「…………」
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灰猫(プロフ) - きゆかさん» 初コメありがとうございます！ヮー！！更新遅くてすみません……！！これからも読んで頂けると幸いです！！ (2022年9月7日 21時) (
レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 初コメ失礼します、更新うれしいですありがとうございます…！！いつも楽しく読ませていただいてます！これからも応援してます✨ (2022年9月7日 20時) (レス) @page48 id: 533f2abba6 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - realさん» わー！いつもありがとうございます！！これで化は終わりなのでせめて最後まで頑張ります！！ (2022年8月15日 0時) (レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 毎回コメント失礼します。あ、めちゃくちゃ待ってましたキャットターン()今回も最後まで楽しませて頂きます！ (2022年8月10日 19時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年8月2日 17時
