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お楽しみっていうなら、もう十分に楽しんだぞ？
しかしまあ、そうは言っても、相川の母親の前で、拷問トークを続けるのにもいい加減限界を感じていたところだったので、相川のその言葉は、考えてみれば願ったり叶ったりといった感じだった。
私は「わかったよ」と言って、車のシートに、ゆったりと体重を預けた。
「うるさいなあ」
「え？ 何も言ってないじゃん」
「呼吸音や心音がうるさいと言っているんだよ」
「いや、それは死ねと言ってるんだ」
なんて、その会話を最後に。
相川も、もう喋らない。
何でだろう。
心なし、緊張している――ようにも見えるけれど。
緊張するような場所に連れて行くつもりなのか？
クルマは、山道に入ったようだった。
山――それも、昨日一昨日、月崎と登ったような、小さな山じゃない、本格的な山だ。
大きく螺旋を描くような道路を、ジープの馬力で、登っていく。
道路がきっちり整備されているのも、昨日一昨日の山と違うところだ。
山の上……？
また神社か？
初デートがお参りって……。
嘘だろ？
「今更聞くのも遅きに失した感じだけどさ……一体、どこに行くつもりなの？」
「いいところ」
「…………」
「い・い・と・こ・ろ」
「………………」
そんな色っぽく言われても……。
絶対嘘じゃん。
「というか、Aちゃん、行くつもりも何も、既についたよ。ほら、そこ、もう、駐車場だもん」
言われて正面を見れば、その通りだった。
到着。
現在時刻が十時近くだから……二時間以上のドライブだったというわけだ。
息詰まるような恐るべきドライブだったが、これでようやく、一息らしい一息がつけるというわけだ。
相川母は見事な駐車技術で、がらすきの駐車場の端っこの方へ、ジープを停める。やれやれと、クルマから降りようとしたところ、ところが、その動作を相川に止められた。
手を握って止められたとかじゃなく、撫で回していた太ももに爪を突き立てるという、驚異の止め方だった。
ケモノかこいつは。
猫じゃないんだから。
「な……なんすか？」
「Aちゃんはここで少し待っていて」
相川は言った。
「僕が一人で先に行って、準備してくるから」
「準備って……」
準備が必要なのか？
て言うか、相川、この状況で、私がここで待っていて、お前が一人で先に行っちゃったりしたらさ――
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灰猫(プロフ) - きゆかさん» 初コメありがとうございます！ヮー！！更新遅くてすみません……！！これからも読んで頂けると幸いです！！ (2022年9月7日 21時) (
レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 初コメ失礼します、更新うれしいですありがとうございます…！！いつも楽しく読ませていただいてます！これからも応援してます✨ (2022年9月7日 20時) (レス) @page48 id: 533f2abba6 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - realさん» わー！いつもありがとうございます！！これで化は終わりなのでせめて最後まで頑張ります！！ (2022年8月15日 0時) (レス) id: 0b53369cd7 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 毎回コメント失礼します。あ、めちゃくちゃ待ってましたキャットターン()今回も最後まで楽しませて頂きます！ (2022年8月10日 19時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年8月2日 17時
