有効打 ページ6
赤司side.
桃井と鷲沼を交換したあと、僕達はそれぞれのチームに分かれた。
テツヤと大輝のコンビ、真太郎と涼太のコンビ、鷲沼と敦のコンビで陣を作り、僕は様子を見ている。
「……即席にしては、相性は良さそうだな」
テツヤと大輝はこれをバスケに踏まえて考えるようには言ってある。
その成果か、2人の動きは見事な連携だ。
「そっち行ったぞ！テツ！」
「はい！」
大輝が敵を追いかけ、その先でトラップを仕掛けたテツヤが待ち構える。
相手は大輝に気を取られて、テツヤの罠にハマる。
「うわっ！」
「……テツ、どう……って、今回は落とし穴かよ！」
「はい。今回は青峰くんが時間を稼いでくれたので、充分な高さになってます」
「お前、それで『合図するまで近づけるな』つったのかよ！」
「そうしないと、青峰くんはボクの方に来させるので」
そう言ってテツヤ達は走り出す。
僕は真太郎と涼太のコンビに顔を向ける。
「……」
「まだスか！？緑間っち！」
涼太は敵を追いながら、緑間から離れる。
「……ふん。ペースが落ちているが、まぁ良いのだよ」
緑間はそう言い、銃を構える。
その銃口をやや上に向けると、引き金を引いた。
それは見事な放物線を描き、ターゲットに当たる。
「うわっ、なんて飛距離だ！」
「つか、緑間っちの何持ってるのかと思ったら、カラー付きBB弾だったんスね」
「ふん。人害もないのだよ」
「……」
僕は真太郎達から、敦と鷲沼に顔を向ける。
この2人はさきの2組より、実に気になる組み合わせだ。
「……」
「わっ！？」
「動かないで。大将はどこ？」
敦が先陣を切るのかと思ったが、鷲沼が先陣を切り、1人を抑え込む。
その間に敦は奥の2人を連れて、鷲沼と合流した。
(驚いたな。いや、鷲沼が持ってるスキルか？自身が放つ殺気を感じさせないよう、カモフラージュでもしている？だが、どうやって)
「……鷲沼A。あいつは、潮田渚に近い存在だ。殺気を悟らせないという点ではな」
僕は相手に顔を向けることなく、鷲沼達を見つめている。
誰が来たかは、広げた視野でわかっていた。
「鷲沼の動きは、他と違って無駄がないですね。ですが……」
そこでふと教室でのことを思い出す。
鷲沼は酷く先生達に、壁を作っているように見えたが……。
「……ところで……」
「ああ、悪い。俺は烏間惟臣だ」
「よろしくお願いします」
僕はそう言い、鷲沼を見つめた。
鷲沼の攻撃は有効打が多い。
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作者名：アマユリ | 作成日時：2021年12月30日 15時
