体育の授業 ページ4
それから私達は、グラウンドに出る。
手にはもちろん、ナイフや銃。
「これで何すんだ?」
「ホームルームの終わりに殺せんせーが言ってたろ?『先生を殺せ』って。このクラスじゃ先生がターゲットで、俺らは暗殺者」
青峰さんに前原くんがそう説明する。
そして私達は烏間先生の元に整列した。
「ではこれから、苦手なものを克服する訓練に入る!なお、俺の授業を受ける7人は初心者だから、補佐として……鷲沼!お前は7人を見ろ」
「!?はぁ?」
「どうした。早く前に来い」
烏間先生にそう言われると、私は逆らえず、前に出る。
それから、転校生7人は私の、残りは烏間先生の元に残った。
パシッ
ピタッ
「うっ……」
「はい。私の勝ち。桃井さん、黄瀬さん、紫原さん、緑間さん、青峰さん。全員、やや大振り気味。よって隙が生じやすい。修正して」
私はそう言って、ナイフを腰に入れる。
けど、紫原さんの体格には驚いていた。
紫原さんの体格からナイフを下ろされると、シルエットでなかなか気づきにくい。
加えて、黄瀬さんと青峰さんはわずかだけど、フェイントが入る。
黄瀬さんと青峰さんはタッグでも組むと厄介そうだな……。
(私には関係ないけど)
「次……って、あれ?」
(1人……いない?赤司さん……はいる。他の5人も)
そこまで考えて、私はハッとした。
すぐにその場から離れる。
ビシッ
(射撃……なるほど。でも、動く的は狙いにくい)
「……これ、タッグもOKなんですよね?なので、ボクは1人でやってませんよ?」
「えっ……」
スッ
「捕まえた。上出来だ、テツヤ」
私は背後から伸びた腕に拘束された。
しかも、ルールであるナイフを喉元に突きつけられて。
黒子さんは銃を手に、木の上から降りてくる。
(やられた……この2人が組んでたんだ)
「テツヤは誰とも組んでない。まぁ、結果的には、僕と組む形になったがね」
「ボクは赤司くんと組めて良かったです。けど……鷲沼さんにも驚きました。青峰くん達と対等以上でしたし」
「それは僕も驚いた。女子だからと、甘く見ていたかな」
「……ていうか、拘束の必要はないでしょ」
「ああ、すまない。一応聞こう。降参するか?」
「……する」
私が呟くと、赤司さんが微笑む。
そして、拘束は解かれた。
「あれ?なに、鷲沼負けたの?」
その声に私は顔を上げる。
そこには、旧校舎の屋根に立つ赤い髪の少年。
「うるさい。てか、関係ないでしょ?」
「うわ、つれない言い方。オレ、泣くよ?」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アマユリ | 作成日時:2021年12月30日 15時