アドバイス ページ21
それから少しして、クラスの雰囲気は変わった。
というのも、カルマくんと赤司くんをはじめ、みんなが考案した殺せんせーへの作戦を私に話しては、意見を求めて来るのだ。
最初の頃は私すらも戸惑ったけど、渚くん曰く私はこういうのでクラスに打ち解けた方が良いらしい。
(だからって、毎日毎日来なくても……)
「ど、どう?鷲沼さん」
「……作戦自体は悪くない。けど、これを1人でやるの?スイーツなら、お菓子好きな人と組んでやったら?」
「えっ、お菓子好きの人?そんなの……」
「いるでしょ、1人。見かけによらず、お菓子で少し可愛いと思える人」
私が呟きながら、紫原くんを指すと、全員が紫原くんへと顔を向ける。
紫原くんは大量のお菓子を机に置き、そのうちの1袋を開けていた。
「紫原くん……盲点だったかも。私、協力を頼んでみる!」
茅野さんはそう言うと、紫原くんの席へと向かう。
私は小さく息をつく。
私が倒れた日の翌日からこうだ。
その都度、1人でやるのは難しそうな案はこうして、複数人でやるようにアドバイスを出している。
「鷲沼。少し良いか?」
「なに?」
私がそう言うと、赤司くんは1枚の紙を出してくる。
そこには【クラスメイトの体力向上メニュー】とある。
「体力向上?どういうこと?」
「ここは山道が多いだろ。僕達はこの間転校したばかりで、まだ外での戦術には体が適していない。そこで体作りと、体力を向上させたいんだが……元陸上部のお前の意見を聞きたい」
「……ちょっと貸して」
私は呟くと、メニューに目を通す。
そこにはいつの間に調べたのか、それぞれの所属していた部活動までのことも配慮されてる。
「問題はないよ。けど、元運動部のメンバーは大半が鈍ってるから、序盤は黒子くんに合わせる形で様子見。そこから、黄瀬くん、紫原くんって感じで割り振った方が良い。私は赤司くん達が来る少し前まで現役運動部だったから、ここで問題はないけど」
私はそう言って、緑間くんと赤司くんのとこを指す。
赤司くんは少し考えると、素早く修正を施していく。
「……なるほど。こちらの方がしっくりくるな」
赤司くんはそう呟くと、自分の席へと戻っていく。
私は周囲を見渡して、一息つくことにした。
※
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年12月30日 15時