真意 ページ20
赤司くんがそう言うと、扉が開いて、「ヌルフフフフフ」と奇妙な笑い声が聞こえた。
私は緑間くんへと顔を向ける。
「緑間くん。手を離して」
「離すわけがないだろ。大人しくするのだよ」
「違う!赤司くん達に危害は加えないから!お願い!」
私がそう言う中、緑間くんは私のナイフを握る手を押さえつける。
ベッドを囲うカーテンは、無情にも開かれ、顔を出したのは殺せんせー。
「ヌルフフフフフ。おはようございます。鷲沼さん」
「……」
「殺せんせー。今は、俺達が話していたんですが?」
反応しない私の代わりに、赤司くんが呟く。
殺せんせーはそんな赤司くんを見て、微笑む。
なんとなく、嫌な予感がする。
そう思って私は殺せんせーを見つめる。
「鷲沼さん。どうです?彼らを頼っては」
「……」
私は殺せんせーから赤司くん達へ視線を向ける。
赤司くん、緑間くん、青峰くん、黄瀬くん、紫原くん、そして……黒子くん。
E組のみんなも集まってきていることに、私は目を見開いた。
「……どうして……」
「んなもん、鷲沼のため以外にねぇよ」
「鷲沼さん……怖いイメージが強かったけど……鷲沼さんでも泣くんだと思ったら……ほっとけないよね」
前原くんの言葉のあとに、渚くんが続く。
渚くんが、私を恐れていたのは知っている。
でも、私にとってそれは都合が良かった。
(……赤司くん達も、渚くん達も……何故私のために?私……騙してるかもしれないのに……)
無意識に布団をギュッと握りしめる。
緑間くんはそれを感じたのか、私を掴む手を緩めた。
けど、私は殺せんせーに攻撃すらできない。
頭が上手く働かない。
彼らの真意はなんなの?
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年12月30日 15時