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真相 ページ16

鷲沼はグラウンドを黙々と走っている。
それを確認して、緑間に顔を向けると、4本の指が立つ。

(まだ4周か。十分に追いつけるな)

僕はそう考えて再び走り出す。
大輝達は既にテツヤに連れられて、グラウンドの外にいる。

(さすがテツヤだ。あの2人はテツヤには弱い。だからこそ、テツヤが一言言えば大輝達を動かすのも容易い)

しかし……まいったな。
僕は何周すれば良いのだろう?

僕は別に、誰にも負けていない。
大輝達もグラウンドから出した。
だから、僕が走る理由は既にない。
鷲沼のためか?
いや、鷲沼は自分のペースで走っている。

(僕は、何が不安なんだ)

「何してるの?」

そう言って、影がかかる。
顔を向けると、赤羽カルマがいた。
しかも、僕と併走付きで。

「……」

「あれ、少し先が見えるのに、気づかなかった?」

「からかわないでくれ。あれは必要だと思ったときだ」

「へぇ……ならオレは必要だと判断されたんだぁ……」

「まぁね」

僕が呟くと、カルマは後方に顔を向ける。

「あ、本当に走ってる。案外マジメだね、鷲沼」

「鷲沼をからかいに来たのか」

「いや?別の要件を赤司くんに」

僕はカルマに顔を向け直す。
正直、こいつとはあまり馴れ合いたくないが……仕方ない。
が、僕の知らないところで誰かがこいつに巻き込まれるのも避けたい。

「……要件というのは?」

「えっ、聞いてくれるの?いがーい。赤司くんのことだから、拒否されると思ってたんだけど?」

「なら、前言撤回だ」

「うわ、ウソウソ。てか、1度でも"聞く"って言った手前。拒否は許すワケないじゃん」

「カルマ。僕は全てにおいて正しいんだ。だから、前言撤回も言葉どおり許される。それも踏まえてもう一度聞こう。要件はなんだ」

「殺せんせーをさ、オレと赤司くんで殺さない?」

カルマはそう言って、笑う。
そして、走りながら僕に体を寄せてくる。

「普通に殺し合うのはつまんないから……賭けでもしよ?殺しながら、鷲沼を手懐けんのはどう?」

「何故、鷲沼なんだ?」

「何故ね……。鷲沼ってさ、E組入る前、結構人と本音で話してたんだって。でも、E組来たらあんな感じ。前の状態を知りたくない?」

そう言われて僕は、鷲沼に顔を向ける。
鷲沼の本音?
なら、僕が知る鷲沼の言葉は?
その本心は?
僕が後ろを走ってる時に言われた、あの言葉の真相は違ったのか?

そう思いながら、僕は走り続ける。

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設定タグ:黒子のバスケ+暗殺教室 , , 二次創作+オリジナル   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年12月30日 15時

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