Q22:負けられない ページ23
それから、男子の練習が始まった。
2年は如月先輩だけで、他は1年のマネージャーだ。
ビーーー!
「おしっ!休憩だ!」
キャプテンの声で休憩に入る。
俺は如月先輩の方に向かった。
「あ、赤司くん。お疲れ様」
先輩はそう言うと、ボトルを差し出してくれる。
「ありがとうございます」
俺はそのボトルに口をすると、先輩の足に視線を向けた。
(……あれから、数日は経っているが、まだ痛むのだろうか?)
すると、タオルがかけられた。
「……あまり見ないでくれる?恥ずかしいから」
「あ……すみません」
俺は呟くと、ボトルを置いてタオルで汗を拭う。
(ここからは、いつも通り自主練だったか……)
俺は先輩に顔を向ける。
「先輩。俺の練習メニューはありますか?」
「あ、うん。赤司くんのは、これだよ。ストレッチとシュートはいつも通り。だけど……新たにロードと体育館内のランニング、ドリブルが加わってる」
先輩から練習メニューを受け取ると、一通り目を通した。
「……なるほど、スケジュールが細かいですね」
「赤司くんなら大丈夫だろうってことみたい……」
如月先輩は呟くと、顔を俯かせる。
心配してくれてるのか?
俺は如月先輩から練習メニューへと顔を戻した。
「……これだと効率が少し悪いですね。体育館は体育館でまとめても構いませんか?」
「えっ……あ、うん。赤司くんがやりやすい順番に組み替えても大丈夫だって……」
「そうですか」
俺は呟くと、周囲に顔を向けた。
そこには如月先輩の他にも、女子マネージャーがいるが、紹介されたときよりも人は少ない。
「ああ……他は第2と第3体育館だよ。私も、全員は教えられないから、ローテーションで2軍と3軍って回るの。今いる各体育館のマネージャーと選手は動かないけどね」
「何故先輩だけ?」
「教えられる人がいないから」
先輩はそう言い困ったように笑うと、自分の仕事に入ってしまった。
それを見て俺も自主練へと入ることにした。
(負けてられない。まさか、そう思うのが女性とはな)
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時