Q10:願い ページ11
「辞めなくて、良いって……」
「言葉のままです。如月先輩には、女子バスケ部の練習が休みの日と俺達が試合の日にマネージャーとして、そばにいてもらいます」
「ま、決めるのは軍分けまでだし、ゆっくり考えろよ」
「……ありがとう」
「ところで、如月先輩。この後のご予定は?」
「えっ……帰って、勉強……」
なんで、こんなことを?
疑問に思っていると、赤司くんは立ち上がった。
「赤司くん?」
「勉強、わからないとこがあるので教えてくれませんか?」
「えっ」
「お前……入学首席だよな?」
「わからないのは、先輩達のでして……」
赤司くんはそういうと、顔を俯かせてしまう。
その顔は少し赤く見える。
まだ1年はよくわからない。
けど、赤司くんという人は少しだけわかった……気がする。
「なら、私の家でやる?」
「き、如月!?」
「赤司くんの家、わかんないし……」
「俺は問題ないです。けど……今日は時間が遅いですね。後日にしましょう」
「……赤司くん。携帯……持ってる?」
「携帯……ですか?持ってますけど」
私は気づくと、手を差し出していた。
その理由はわからない。
ただ……叶うなら、このまま何事もなく中学生活を終えたい。
そう思っていた。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時