Q8:赤司と虹村 ページ9
Aさんside.
虹村くんと赤司くんが並んで歩き、私はその後方を歩く。
赤司くんは虹村くんと話しながら時折でも、水筒を口にしている。
(こんなに飲むなんて……スポーツ選手なんだから、やっぱりスポーツドリンクの方が良かったかな?)
「先輩。……如月先輩。そこ段差が……先輩!」
「きゃあ!?」
割と近くで声をかけられたのと、以外にも逞しい腕に抱きとめられた。
顔を上げて相手を見ると、赤司くんが目を見開いて私を見ている。
「……大丈夫ですか。怪我は?」
「だ、大丈夫……赤司くんこそ、大丈夫?てかごめん……考え事してて……」
私がそう呟き肩を竦めると、赤司くんが小さく笑った。
「段差があると言っても、わからない上に赤信号を渡ろうとするのには驚きましたが、引き止めるのが間に合って良かったです。ですが……考え事のタネがこれなら、気にすることはありませんよ。俺はこの味好きですし」
そう言って、赤司くんは水筒を掲げる。
その中には昼間作ったいちごミルクが入っている。
「ありがとう。そう言ってもらえると、作ったかいがあったよ」
「家でも飲みたいくらいです」
「あ、あはは。そこまで気に入ったなら、レシピとか教えるよ?」
「如月、そのくらいにしておけ。ヘタしたら、『失敗したから、家まで作りに来てほしい』とかお願いされるぞ」
「俺はそんなことしませんよ」
「わかんねぇだろ?」
赤司くんと虹村くんの会話はそれがきっかけで恋愛話のようになってしまった。
そのトークがしばらく続き、私達は近くのファミレスに入ることにした。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時