コーヒーは苦いんじゃなくて、暖かいんですね。【0617HBD企画】＊完結＊ (ページ2)

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燃えるような恋だった。

ここまで誰かを好きになったこと。
なかったんじゃないかな。
これ以上好きな人。もう2度と現れないだろう。

まだ20年そこらしか生きていないくせに。
バカみたいにまっすぐに。
そう思った恋だった。

私が好きになった人は大学の教授。

32歳の歳の割に、青年のような
キラキラとした魅力的なルックス。

いつも眠たそうにぼんやりと
している人なんだけど。
講義の時には驚くほどハキハキと、
心が躍るようなたくさんの知識を話す。

彼の講義の世界観と。

生徒が話す意見を聞く時の。
楽しそうに。嬉しそうに聞いている
あの笑顔が大好きだった。

男女どちらにも人気な。
とっても魅力的な人。

「Aはいつも熱心だね。」

「…勉強するのが楽しいんです。」

あなたの講義が。好きなんです。
あなたのことが。好きなんです。

でもわかってた。
教師と生徒の恋愛が上手くいかないこと。

案の定。

教授には私が叶うわけないほど
綺麗な彼女がいた。

でも見ているだけなら自由だよね？

ただ好きでいるだけならいいよね？

そう思って現実から目を逸らし。
ズルズルと不毛な片想いを続けていた。

その片想いが
決定的に終わりを告げたのは。
今から丁度半年前のことだ。