初デート ページ1
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『しょうたー！起きてー！！！』
「んん、今何時」
『もう11時だよ！お昼食べに行くんでしょ！』
相変わらず寝坊助な彼は、起きるまでも起きてからも長い。
「A〜、こっちきて」
『翔太二度寝するからやだ』
そういって突き放すとすぐに目を開けた。
「...準備する」
身体を起こしたものの、立ち上がる元気はまだ無いらしい。
「ふぁ、やるか」
彼の朝は、入念なスキンケア、怪しい滋養強壮剤と青汁がぶ飲みから始まる。
下手したらあたしより準備に時間かかるんだから同じタイミングで起きてって毎回言ってるのに全然起きてくれない。
付き合ってもうすぐ1ヶ月。
まともな喧嘩もなく順調だと思う。
翔太がオフであたしもお休みの日は翔太の家に泊まって、翔太が午後から仕事の日はあたしの家で帰りを待ってくれてる。
あたしの仕事に合わせてくれる翔太は確実に今までより負担が増えたはずなのに全く嫌そうな素振りとか無くて。
デビュー1周年を迎えて相当忙しそうなのに、いつもあたしの事を最優先に考えてくれてる翔太。
「おまたせ、」
そんな事を考えてたら準備が出来たらしい。
今日は2人でお昼を食べて、買い物に行く予定なのだ。
車で行っても結局停めて歩くから、タクシーに乗り込んで目的地を告げた。
「まともなデート初めてだな」
そういえば...大体どちらかの家で過ごすか軽くご飯を食べに行くくらいでまともなデートはしていなかった。
翔太の仕事柄仕方ないんだけど。
『ふふふっ、楽しみだね！！』
目的のご飯屋さんに着いて個室へ入る。
『ここ！オープンしてからずっと来たかったの！』
2週間前にオープンしたチーズを売りにしてるお店。
ラクレットやチーズフォンデュなど、色々なメニューがある。
「女子って本当チーズ好きだよな」
好きな物頼みな、なんていう翔太はあたしが頼みたいものを気にせず頼んで食べきれなくなることを3度目のご飯くらいで理解したらしく、それからはもっぱらあたしの残飯処理に徹してくれている。笑
「女子のパンケーキ好きに関してはかわいこぶってるだけだと未だに思ってる。あんなん主食じゃねーじゃん」
本当は焼き鳥にビールの方が好きだろ、なんて言いながらメニューに目を通す彼。
『焼き鳥にビールも最高だけどパンケーキはたまに無性に食べたくなるんだよ！』
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作者名：syopi | 作成日時：2021年1月30日 11時
