検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:369 hit

人を信じられない夢主と、信じてほしいと思っている街の若者(1) ページ3

「う…ああ…」

そうだ、私…捨てられたんだ…
私は国の貴族…だった。
婚約を破棄され、その上、平民に王子を取られてしまった。
そんな私に愛想を尽かしたお母様、お父様は、私を捨てたのだ。

母・父「もうあなたは要らない。」

そうして捨てられた私は…

「う゛…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

こんな…こんなところに…

私の名前はA。
前の名前は、A・マージ・サーティ。
有力貴族の娘だった。

ここは治安が悪いで有名な地区。

お母様も、お父様も、私をここに放っておけば、いずれタヒぬとでも思ったのだろう。

つらい。
見捨てられたんだ…

平民ごときが…とか思っている暇もない。
今は私も平民だ。
有名で有力な家の人間ではなくなったんだ。

(くぅぅぅ)

お腹が空いた。

かといってボロボロの服を着て、この地区から出るわけにはいかない。
出たとしても、皆に無視されるからだ。
こんなみすぼらしい格好をしていると、街の人は物すら売ってくれない。
でも、少しだけでもと、希望を持ち、街の方へと私は向かう。

ーー…

街へ出る直前のところ。なんだか騒がしい。

「スープ!スープ配ってまーす!!」

…?

数人、明らかに街の人が、この地区の人々に、食料を分け与えている…?

この状況が、私は飲み込めなかった。
街の人は、みんな、私達に冷たく当たる。


ずっと、そう思っていた。

私より3歳ほど若そうな、一人の街の若者が、こちらによって来た。

「そこのお姉さんも、1杯スープはいかが?お口に合うかはわかりませんけれど…」

こんな私にも、敬意を払ってくれているのがわかる。

「私はお金を持っていないのです。だからお金は巻き上げられませんよ?」

私はキツめの口調で言った。
お金目的の人間の目には見えなかった。
けれども、私を騙しているかもしれない。

いつのまにか、私は疑心暗鬼になっていた。
だれも、信じられない。
どうせみんな、捨てるんだ。
私のことなんて。

「お金なんて、必要ありませんよ?」

本当に不思議そうな声色だった。
私からお金をもらうなんて概念が無いような。
そんな、声色だった。

けれど、信じられない。
こんなに親切にしてくれる。
だからこそ、信じられないのだ。

「どうせ…どうせ!!
 何もかも奪い取って、要らなくなった私を捨てるのでしょう。」

もうなにも…信じられない…!

つづく…

作者↓
サーティは最低から取りました(文字数)

人を信じられない夢主と、信じてほしいと思っている街の若者(2)→←夢主(主人)と遊ぶ騎士(護衛)の友達



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:オリキャラ , 短編集 , おともだち , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しょこらけーき | 作成日時:2023年3月29日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。