お付き合いを前提に結婚してください！！！

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舞い散る桜。ざわつく同級生達。兄の行事で見慣れた校舎。
私＿＿Aは、ついに高校生になりました。……やばくない！？私もうJKになっちゃったよ！？！なんとなくでお兄ちゃんと同じ高校にしたけど…見た事ある〜くらいの記憶だから新鮮だし、何よりアルバイト自由！行事たくさん！青春し放題！！うおおおおおおお！！！！！あと制服かわいい！！！！！！


「A？何ｼﾃﾝﾉ。置ｲﾃｸﾖ。」

「大丈夫。ちょっとお兄ちゃんよりも青春してやろうと思ってただけだから。」

「ﾊ？ｲｲﾉｶｵﾏｴ」

「嘘！嘘だって〜〜♡お兄ちゃん大好き♡」


全力で媚を売った…じゃなくて甘えた妹を完全スルーしてスタスタと歩いて行く。お兄ちゃん、怒らせる(といってもいつも本気ではないからなんだかんだ優しいのだけれど)と急にどっかからダイヤ剣出して殴ってくるんだよね。…あれってゲーム内のものだよね？まあいいか。この学校ではどうやら非現実的なことは日常茶飯事らしいからね！


「兎にも角にも…ここどこ？」


そんなこと言ってたら完全に迷子。絶対お兄ちゃんのせいだ。開始三秒で置いてったし。マップ把握してないんだぞこちとら。誰だ「ﾊﾟ◯ﾑ食ﾍﾞﾀｵ詫ﾋﾞﾆ学校案内ｼﾃｱｹﾞﾙ、感謝ｼﾛﾖ」とか言ったやつ。あとで鈴カステラ全部食ってやる。


「案内図もないし、これガチ詰んだ……登校初日からHR遅刻とかわろえん…」

「お困りかな？新入生さん。」


下を向いて考え込んでいると、上から聞き慣れない、耳に優しい声が降ってくる。
じんわりと暖かくなるような、そんな気持ちになる声。後から思えば、ここから始まった、のかもしれない。


「迷子になる子は多いんだ。俺もちょっと迷ったことがあってさ。……大丈夫？」

「……お」

「お？」


「お付き合いを前提に結婚してください！！！」


＿＿そう、これは


「…え？」


＿＿きっと、運命の出会いというやつだったのだ。

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