【短編集】ヤン時々デレ【実況者】 (ページ25)

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『ぴくと、その……

「あ、もう俺人形の姿に戻る気ないから。よろしくー」

え、えぇ！？！？』

「えぇ！？びっくりしたー…wそーんな驚くの？w

いやだって、人形の姿だとじーっとしてなきゃいけないから辛いんだよ。
でも人の姿だったら、自由に動けるしさ？何より……

Aとずっと一緒にいられる。」

急に声が低くなったぴくとが怖くて、1歩後ろへ下がってしまう。
あんなに可愛かったぴくとが、今は人の姿になったこともあるのか…怖く見える。

嫌、早く、捨てないと。きっと、この人形は呪われてるんだ。
捨て、ないと…

「どうせAは"俺に人形の姿に戻ってもらって、その間に捨ててしまおう"とか思ってたんでしょ？」

『……そ、れは…』

「言葉詰まってるってことはやっぱ思ってたんじゃんw
もう捨てられるのは嫌だから、人形の姿でいることをやめたんだ。」

目の前にいるぴくとは、ずっとにこにこしてる。そして時々、薄くだけれど目を開く。
その瞳に、光なんかはない。
……もう離れないとでも言うように。

「今度は俺が、Aのこと大切にするから。だから、何にも心配しなくていいよ？」