【短編集】ヤン時々デレ【実況者】 (ページ14)

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『きんとき先輩、聞いてくださいよ……！』

「うんうん、何でも聞くよw」

『最近、毎日毎日目覚まし時計の隣にお弁当が置いてあるんですよ！！そのお弁当、作者不明なんです！！』

「……うん。」

『そのお弁当の中身が私の大好物ばっかりなんです！食べたくなるんですけど、毒とか混ざってないか心配で、毎日お弁当捨ててるんです。本当、食材に申し訳ない……』

私が相談すると、きんとき先輩は心配そうな顔を

───していなくて、何だか嬉しそうな顔をしていた。

「……だって、Aに食べてもらえるようにAの大好物入れてたんだよ。
でも、毎日捨てられて悲しかったんだけど……捨ててたのってそういうことだったんだね。安心してよ、俺が毒なんか混ぜるわけないじゃんw」

『……へ……？』

「まぁ手紙に名前書かなかったから、心配になるよね。ごめん。」

本当に何言ってるか、分からなかった。
平然ときんとき先輩は話しているけど……話してることは恐ろしい。

私は恐怖で、歩いてた足が止まってしまった。
きんとき先輩は、私が止まったことに対して、ちょっと驚くもすぐいつもの優しい笑顔に戻った。

「？どうしたの、早くしないと学校遅れちゃうよw」

『……あ、あのお弁当…きんとき先輩が作ってた、んですか……』

「うん、そうだよ。
あはは、急なことでびっくりしてるか。ごめん、何も言わなくて。」

『どう、やって……目覚まし時計の隣に、お弁当を…置けたんですか……？』

「あぁ、これも言うの忘れてたね。
合鍵作ったんだよ、Aの家の。これ使って、家入ってたんだ。」

『え……？』

「俺さ、Aのこと、ここまで好きなんだ。

ねぇ、明日もAの大好きなものを入れた大好物お弁当作って置いておくからさ

───捨てないでちゃんと食べてくれるよね。」

きんとき先輩の声と表情に……闇を含んでいるように見えて、怖かった。