お弁当 ページ30
男子「なあ、A」
A「ん？おお…どうした？」
お昼休憩。
弁当を広げようと風呂敷を持っていると、男子に話し掛けられた。
その男子は前に言った私に片思いしてる男子。
男子「一緒に飯食わねェ？
教室じゃなくて屋上で」
A「……」
どうしよう。めんどくさい…
片思いだとかそんなのじゃなく人と二人でご飯を食べることがだ。
一人、もしくは三人以上なら楽だ。一人なら誰とも喋らなくていいし、三人以上なら多少黙ってても他の人が喋ってる。
その点二人は面倒。喋らなくちゃ気まずくなるだけ。
でもここで断るのは悪いし…
A「…いいよ、行こっか」
男子「よし、行こう」
弁当と水筒とケータイを持ち教室を出た。
後ろでみんなが私達のことをカップルだのなんだのとからかい笑ってるのを無視して。
出入り禁止と書かれた札の掛かったドアノブを回し屋上へ出た。
まだ夏も真っ只中。蝉の声が響き生暖かい風が吹く。
男子「ここら辺で食うか」
A「うん」
誰もいない屋上のど真ん中に座り、風呂敷を広げる。
相手は購買から買ってきたらしく、パンやらおにぎりやらをガサガサとカバンから出した。
男子「弁当？」
A「うん。いつもお母さんが作ってくれるけど、今日は自分で作ったんだ」
男子「Aが作ったのか！？」
A「うん」
蓋を開けると私が作った日の丸ご飯と玉子焼きやタコさんウインナーやブロッコリーなど定番のおかずが詰まっている。
それを見た男子は感心したのかなんなのか、へーとかふーんとか声をもらしてた。
A「…どうしたの？」
男子「すげー、こんなに作れるんだなAって」
A「このくらいなら出来るよ」
男子「おれ不器用だからよ
家庭科の調理実習とか無理だし」
A「あははっ そうなんだ
私も別に料理は得意じゃないんだけどね」
話しながら弁当を食べる。
彼もムシャムシャとパンを頬張るが、その視線の先には私の弁当。
…なに？子供っぽいとか思ってんの？
悪かったな幼児の好みで。
男子「なあ、一口くれねェ？」
A「え？ああ、いいよ」
くれと言われたので弁当箱ごと渡そうとすると、何故か受け取ってくれない。
A「？」
男子「あーんして？おれ今手ェ塞がってるから」
彼の両手にはパンとおにぎり。
いや置けよお前…
A「じゃあ何がいい？」
男子「玉子焼き！」
A「はい、どうぞ」
男子「あー、ん…んまっ！」
A「ありがと」
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如月 - これからも頑張ってください！ (2018年9月20日 13時) (
レス) id: 699e158105 (このIDを非表示/違反報告)
ひゆり(プロフ) - 如月さん» お返事遅れてすいません！ありがとうございます！ (2018年5月15日 13時) (レス) id: 6cacd26493 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - 面白かったです！！更新頑張ってください！ (2018年5月6日 14時) (レス) id: 699e158105 (このIDを非表示/違反報告)
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