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お互いに熱くなった体はしばらく離れることは無かった。
小さく寝息をたてるゆうやに抱きしめられ、俺はその寝顔を見つめていた。
好きで、大好きで、愛おしい。
「....ゆうや」
起こさないように小さく名前を呟いて、ひとりで小さく笑う。
付き合う前から、親の仕事の都合でよくゆうやの家に泊まって一緒に寝ることは多かった。だから寝顔も見慣れているけど、ほんと昔から変わらなくて。
「何笑ってんの」
「起きた?」
「うん。クスクス笑いやがって。なんだよ」
「んーん、好きだなって」
「...俺も」
そう言って笑って、俺のおでこにキスをひとつ。
"あぁ、好きだ。" 何度そう思えばいいんだろう。
離れている間の何倍も、何倍も好きになる。
「シャワー行こっか」
「うん。...一緒がいい」
「狭いよ、すごく」
「いい。行こう」
お尻の中の久しぶりの違和感は幸せの代償。
こんなのどうってことないから。
「風邪移しちゃったろうなー....」
「いいって」
自分の心配よりも、俺を優先させてくれるゆうやは、なんにもほんとに変わってない。
「ゆうやの風邪菌もらって帰るもん」
「こーら」
裸のまま抱きついて壁に押し付けた。
いつまで経ってもシャワーにたどり着かないのも、変わらない。
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「なにこれ?」
「ひまわりの、種」
「ひまわりかー」
ゆうやが少し前に、ベランダがついてるからそこで観葉植物を育ててるって写真付きで送ってきて。
それで、持ってきた。
「俺も家で植えたの。同じの」
「へぇ、、」
「植えていい?」
「うん、もちろん」
部屋に干されていたTシャツを着ただけの2人。
ベランダにしゃがんで、空いていた鉢植えに土と種を入れ、水を少し掛けてあげた。
このひまわりが芽を出して、ぐんぐん成長して、花を咲かせ、太陽にめいいっぱい微笑んだ時、
俺のひまわりも、太陽にめいいっぱい、微笑むだろう。
同じ空の、太陽に。
「水やり忘れないようにしなきゃ」
「うん、枯らさないでね」
あっという間に夕方。
俺はもう帰らなきゃいけない。
....ほんとは、一緒に帰りたいけど。
「大学、頑張って」
「....ありがとう。頑張る」
いつか教えてくれると約束した夢を、絶対叶えて欲しいから。
俺は少し離れたところで応援し続けるから。
「また会いに来る」
「俺も行くから。ちゃんと連絡するよ」
「...うん、待ってる」
来るまではずっと違うと思っていた都会の空は、
紅く染まって
「好きだよ」
すごく、綺麗だった。
fin.
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96(プロフ) - hkin大好きなので新しいお話のupとても嬉しいです!そして何よりお話の内容がとても素敵でした!最後のhkくんとinくんの会話にときめいてます!笑これからも応援しております! (2018年11月25日 0時) (レス) id: 895be46096 (このIDを非表示/違反報告)
ぽい(プロフ) - 青空が違うだ!と読みながら嬉しくなってしまいました!!他の楽曲でもぜひ見てみたいです♪ (2018年11月19日 18時) (レス) id: 4bb11b3478 (このIDを非表示/違反報告)
unicorn(プロフ) - 青空が違うってすごくいい曲ですよね!欅オタなので題材になってて見ててすごく面白かったです!青い鳥でも欅のことお話しされてるの見て同士さんだな〜って勝手に親近感わいちゃってます笑これからも作品楽しみにしてます! (2018年11月19日 0時) (レス) id: 751fcc2c4e (このIDを非表示/違反報告)
こはNo.2 - あとすみません!!小説を書いてみたいのですが真ん中に文字を書くのは空白をおけばいいんですか?(このお話のメインページみたいに?) (2018年11月8日 17時) (レス) id: 797d2e6d06 (このIDを非表示/違反報告)
こはNo.3 - いつも面白い作品をありがとうございます!!楽しみにさせてもらってます!!・・・すみません「壊れて見せて」のパスを教えて頂いても宜しいですか? (2018年11月2日 20時) (レス) id: 7f7ef9f2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mapii | 作者ホームページ:@maiip_226
作成日時:2018年8月14日 17時