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5月
「……ん、」
聞き慣れたアラーム音で目が覚める。
少し耳障りなそれを消そうと枕元のiPhoneに手を伸ばせば、画面の時刻は12時と表示されていた。
「………」
眠い目を擦りながら隣を見てみるけれど、
こんな日は、恋人がいることは殆どない。
私のBarの仕事が休みの日以外、もう既に仕事に行っているか、ソファでくつろいでいるかのどちらかだ。
"今日昼飯いらない。"
私が一日仕事の日は、顔を合わせる時間さえほぼなくて、
ダイニングテーブルに置かれたこんなメモ一枚が、一日の会話なんていうこともざらにある。
「…あ…洗い物して行ってくれたんだ、」
でも、夜中に帰ればスヤスヤと眠っている恋人がいること、
朝起きれば作っておいた朝食が綺麗に片付けられていること、
それだけで、一人で過ごしていた日々より毎日が幸福に思えた。
ーーーvorwarts…
<スピード遅くね?>
<逆に怖いんですけど、笑>
ーーー
知らぬ間に彼が用意していた車で久しぶりの運転をすれば、助手席から"まだ死にたくない"と散々小言を言われたり、
ーーーvorwarts…
<Aってさ、意外と寝起き機嫌悪いよね。>
<起きてすぐ包丁持ってる時とか、結構怖い。笑>
ーーー
日々を共に過ごす中、いままで知らなかったお互いの癖を見つけたり、
ゲルセンキルヘンに来て一週間、
彼と過ごす毎日は新鮮で、
でも、出会った頃から変わらない日常は、確かに二人の間に存在するー
〜♪〜♪
エステ荘の噴水
Les Jeux d'Eaux à la Villa d'Este
フランツ・リスト
(Franz Liszt / 1811-1886)
篤「ただいま。」
「あ、おかえりなさい。」
大好きなリストを弾き終えれば、ソファから恋人の声がして振り返る。
彼のポケットからは、"なんだ、お役御免じゃねーじゃん、こいつ"と、レッスン室の鍵に付け替えることになった人形型のキーホルダーが揺れている。
「お昼ご飯食べて来たの?」
篤「うん。先輩とね。」
"レッスン室に行ってくる"と言えば、"ん"と頷きながらついて来る、
"レッスン室にいます"とメモを残せば、お揃いのキーホルダーをぶら下げてやって来る、
そしていつも、お気に入りのソファで眠ったり、家から持ってきたPCを弄ってみたり、
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いく(プロフ) - ちなみに、わたしもずっとピアノをやっているので出てくる作品がお気に入りだったりして楽しいです。 (2014年10月26日 18時) (レス) id: 90fb3cb615 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - こんなにひき込まれた作品は初めてです。ヒロインが幼馴染といる時に内田さんの言葉一つ一つを思い出してしまうところ、涙が止まりませんでした。続編、読み進めようと思います。 (2014年10月26日 18時) (レス) id: 90fb3cb615 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは!素っ気ない内田さんでも、主人公は結構愛情をストレートに表現するので大丈夫なのかもしれません(^^)最後の伏線、だんだんと明らかになっていく予定です。なにが二人を待ち受けているのか…(._.)いつも温かいお言葉をありがとうございましたm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - neneさん» ありがとうございます!同棲生活、順調な滑り出しです(^^)車をサラッと購入って…もう内田さんにしか出来ませんよね(^^)続編作成致しましたので、これからの二人がどうなるのか是非覗きにいらしてください!いつ温かいお言葉をありがとうございますm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - うっちーさん» あちらの作品も気に入って頂けたみたいで嬉しいです(*^^*)ずっと更新滞ってしまっていますが、そろそろ更新しないとですね(・_・;こちらのお話は続編作成致しましたので、是非覗きにいらしてください(^-^)いつも温かいお言葉をありがとうございましたm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:laiz | 作成日時:2013年10月21日 20時