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篤「はっぴーにゅーいやー」





朝起きると、ソファには全く心のこもっていない言葉を発する恋人の姿があった。



年が明けて初めて見る、愛しい人の姿、





「あれ、来てたんだ?気がつかなかった。」

篤「忍者並に音たてないで入ったからね。」

「ふっ、なんで?笑」

篤「いびきかいて爆睡してたから。」

「………」

篤「嘘。」





時刻は13時、

くだらない会話で始まった今日は、昨夜の残業の疲れで随分遅くまで眠ってしまっていたようだ。



今日はお互い一日オフのため、起きたら彼の家に行くと連絡しておいたはずなのだが、

そんなことを思いながら寝起きの頭で彼をボーッと見ていると、チラッとこちらに目線を向けてくる。





篤「昼飯作ってもらおうと思ってたのに、全然来ねーから嫌味言いにきた。」





PC画面を見つめながらそう言った彼に、





「ごめん。昨日残業で、笑」





小さな笑いが漏れて、



"知ってる"と短く返ってきた言葉の通り、私が残業であったことは明け方にメールで既に伝達済みだ。

それでも彼がここに居るのは、"嫌味を言いにきた"のではなく、"迎えにきてくれた"のだろう。





「ありがとう。笑」

篤「…まじさ、いちいちそれ言わなくていいから、笑」





"さっさと準備して"と照れ臭そうにキッチンへ向かっていった彼の背中に笑いながら、"さっさと準備"を始めることにする。





ーーーvorwarts…



<少し早いクリスマスに鳥もらっちゃったからね、俺。>

<少し遅いクリスマスってやつ?笑>



ーーー





気持ち程度のメイクを済ませ、立ち鏡の前でお気に入りのワンピースに着替えていると、

ハンガーラックに飾られた青いドレスの横に、新しく飾ったオフホワイトのドレスが目に入る。



また一つ増えた恋人との刻に、

自然と頬は緩んで、





「お待たせ。」





支度を終えてリビングに戻ると、ソファに寝そべりながらボリボリと音をたてている彼。

テーブルには、いくつもの小袋が散乱している。



ポイっと投げ捨てられたそれをかき集めながらゴミ箱に捨てれば、"すいませんね"と心のこもっていない言葉が返ってきて、





「嫌いじゃなかった?」

篤「正確には食わず嫌い。」

「意外と美味しいでしょ?」

篤「いま馬鹿にしてた自分に後悔してるとこ。笑」





"まじで送ってくれんのかな"と言いながら彼が食べているのは、

いつも"いらない"と鼻で笑っていた"ごんじり"だ。

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いく(プロフ) - ちなみに、わたしもずっとピアノをやっているので出てくる作品がお気に入りだったりして楽しいです。 (2014年10月26日 18時) (レス) id: 90fb3cb615 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - こんなにひき込まれた作品は初めてです。ヒロインが幼馴染といる時に内田さんの言葉一つ一つを思い出してしまうところ、涙が止まりませんでした。続編、読み進めようと思います。 (2014年10月26日 18時) (レス) id: 90fb3cb615 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは!素っ気ない内田さんでも、主人公は結構愛情をストレートに表現するので大丈夫なのかもしれません(^^)最後の伏線、だんだんと明らかになっていく予定です。なにが二人を待ち受けているのか…(._.)いつも温かいお言葉をありがとうございましたm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - neneさん» ありがとうございます!同棲生活、順調な滑り出しです(^^)車をサラッと購入って…もう内田さんにしか出来ませんよね(^^)続編作成致しましたので、これからの二人がどうなるのか是非覗きにいらしてください!いつ温かいお言葉をありがとうございますm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - うっちーさん» あちらの作品も気に入って頂けたみたいで嬉しいです(*^^*)ずっと更新滞ってしまっていますが、そろそろ更新しないとですね(・_・;こちらのお話は続編作成致しましたので、是非覗きにいらしてください(^-^)いつも温かいお言葉をありがとうございましたm(_ _)m (2013年11月14日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:laiz | 作成日時:2013年10月21日 20時

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