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篤「さっそくくれんだ?お返し、笑」
そう言って笑いながら彼が眺めているのは、さっそく作ったこの部屋の合鍵。
"やること早えー"と笑う彼に、
今更ながらやはり少しはしゃぎすぎていた自分が恥ずかしくなってくる。
「…鍵屋さんに行く用事があったからついでに作っておいたの。」
篤「へー。鍵屋さんに行く用なんて滅多にないけど、あったんだ?」
「…あった。」
篤「ふーん?」
"それはそれは随分タイミングの良いお話で"と全てを見透かしたように笑う彼から、何も言わずにぱっと目を逸らした。
篤「で、こいつはなんなわけ?笑」
合鍵にぶら下がったキーホルダーを怪訝な顔でまじまじと見つめている彼。
「一昨日美月さんと買い物行った時に買ったの。可愛いでしょ?」
"家いても暇"と誘われた買い物の時、たまたま立ち寄った雑貨屋で見つけた人形型のキーホルダー。
美月さん曰く"Aの趣味って時々理解出来ない"と言うそれは、男の子と女の子がペアで置かれていて、
「私は女の子。」
自分の鍵につけたよく似たそれを彼に見せれば、"ははっ"と面白そうに笑い声をあげる。
篤「すげーセンス。凡人にはわかんないわ。笑」
そう言いながらぶら下がったキーホルダーをピンっと人差し指で弾いた彼、
"キモっ"と笑い声と一緒に漏らした言葉とは裏腹に、その顔はどこか満足気で、
ぶらぶらとそれを大きく揺らしながら、面白そうに笑い声をあげている。
「もう、可愛いのに。」
ブツブツと不満を漏らしながら靴を履けば、少し強引に引き寄せられた身体、
瞳を綴じる隙もなく唇に落とされた温もりに、そっと瞼をおろした。
「「…ふっ、」」
額をつけたまま絡み合った視線に漏れた笑い声。
再び顎をくいっと持ち上げられれば、二度目のそれはほんの一瞬触れるだけのもので、
篤「そうやってさ、あんまツボに入ることしないでくれます?」
照れ臭そうにはにかんだ彼は、そう言って私の頬を片手でつまむ。
熱くなっていく頬に気づくと、彼は"ふっ"と小さく笑い声を漏らして、
篤「行きますか、」
ぱっと背を向けた彼に、コクンと一つ頷いて部屋を後にした。
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laiz(プロフ) - りんごさん» あんなことを言ってくれたら、両親も安心ですよね(*^^*)さが内田さんです(^^)私もこの二人の空気感が気に入っているので、書いていてたのしいんです^ ^このお話まだまだ続きますので、これからも是非見守っていて下さい! (2013年10月23日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 両親への挨拶の所、内田さんステキすぎてまたまた泣いてしまいました(;_;)このお話しほんと大好きです!ずっとこの二人を見ていたいなって思っちゃいます(^^♪ (2013年10月21日 20時) (レス) id: 842b9c30a7 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - neneさん» こちらこそ、いつも素敵なお言葉をありがとうございます(*^^*)内田さんのおかげで主人公もやっと前に進むことが出来ました(^^)この後もどんどん絆を深めていってほしいですね^ ^この後続編更新致しますので、またそちらでもよろしくお願いします! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは!後半はキュンキュン、ニヤニヤを詰め込んでみました(^^)問題を解決した後の二人はどうなりますかね^ ^ななさんのおっしゃる通り、また新たな問題もあるのでしょうか…(^^)この後続編更新致しますので、またそちらでもお力を貸して頂けたら嬉しいです! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - samiiさん» またまたコメントありがとうございます(*^^*)更新が中々スムーズじゃなく申し訳ないです(>_<)このペースからは落とさないように頑張りますね!内田さんの最近の安定ぶりは凄いですよね(^^)私もそう思うと複雑です。笑"お待たせしました!この後続編更新します! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:laiz | 作成日時:2013年9月21日 19時