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私が仕事の時、彼が夕食の後片付けをしてくれる習慣は変わっていない。
"洗剤切れたんだけどー"
"あー、あったあった"
そんな彼の独り言がキッチンから聴こえる中、私はソファでヘアメイクを済ませる。
篤「洗剤替えといた。」
「ありがとう。」
リビングに戻ってきた彼にお礼を言うのもいつもの事で、彼が"ふー"と深い息を吐いて私の隣に腰掛けるのも出会った当初から変わっていない。
「さっき篤人くん寝言言ってた。」
篤「なんて?」
「わからない。聞き取れなかったけど、」
篤「勝手に聞かないでよ、変態。」
つい最近言われたばかりのそれに"もう"と息を漏らせば、彼が面白そうにクスクス笑う。
篤「本当、寝てる間に何されるか分かったもんじゃないね。」
「篤人くんが勝手に寝言言ったんだよ?」
"たまたま聞こえちゃっただけ"と少し不満気に言えば、鼻で笑いながらこちらに向き直って、
篤「起きてる時にすればいいじゃん、」
「なにを?」
篤「悪戯。」
"どうぞ"と言わんばかりに両手を後ろにやった彼、
右側の口角だけを少し上げる彼の髪にそっと手を伸ばせば、微動だにせずにこちらをじーっと見る。
「………」
その視線に負けそうになりながらも、この前は"調子乗んな"と止められたリーゼントにしようと髪をかき上げれば、
やはりさすがの彼でも似合わなくてつい笑ってしまう。
篤「ねぇ、なにが面白いわけ?」
「ん?一周まわって面白いの。笑」
"わけわかんねー"と呆れたように笑いながら髪をわしゃわしゃと元に戻した彼、
そのまま時計に目線を移すと、"あーあ、しょーもないことしてたらもう時間っすよ"と車のキー片手に玄関に向かう。
「あ、ちょっと待ってて、」
彼にそう言い残し自室に向かう。
引き出しから取り出したそれを数秒間見つめながら、"少しはしゃぎすぎかな?私"なんて心の中で自問しながら彼のいる玄関へ向かった。
「篤人くん、これ、」
篤「ん?」
私の掌の中にあるそれを見て少し驚いたような顔をした彼、
チラッと向けられた彼の目線はすぐに手元に戻され、少し照れ臭そうに顔を歪めながらそれを手に取った。
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laiz(プロフ) - りんごさん» あんなことを言ってくれたら、両親も安心ですよね(*^^*)さが内田さんです(^^)私もこの二人の空気感が気に入っているので、書いていてたのしいんです^ ^このお話まだまだ続きますので、これからも是非見守っていて下さい! (2013年10月23日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 両親への挨拶の所、内田さんステキすぎてまたまた泣いてしまいました(;_;)このお話しほんと大好きです!ずっとこの二人を見ていたいなって思っちゃいます(^^♪ (2013年10月21日 20時) (レス) id: 842b9c30a7 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - neneさん» こちらこそ、いつも素敵なお言葉をありがとうございます(*^^*)内田さんのおかげで主人公もやっと前に進むことが出来ました(^^)この後もどんどん絆を深めていってほしいですね^ ^この後続編更新致しますので、またそちらでもよろしくお願いします! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは!後半はキュンキュン、ニヤニヤを詰め込んでみました(^^)問題を解決した後の二人はどうなりますかね^ ^ななさんのおっしゃる通り、また新たな問題もあるのでしょうか…(^^)この後続編更新致しますので、またそちらでもお力を貸して頂けたら嬉しいです! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - samiiさん» またまたコメントありがとうございます(*^^*)更新が中々スムーズじゃなく申し訳ないです(>_<)このペースからは落とさないように頑張りますね!内田さんの最近の安定ぶりは凄いですよね(^^)私もそう思うと複雑です。笑"お待たせしました!この後続編更新します! (2013年10月21日 19時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:laiz | 作成日時:2013年9月21日 19時