第55話 ページ8
「あぁ、またか。」
潔くん達がいる棟の最終試合から数日。
あの試合の後から私の身には不可解なことが起こり始めていた。
畳んだはずの洗濯物が崩されている、洗ったスポドリのボトルが汚されている、掃除した場所が汚されている、などなど。最初は私のミスかと思っていたけれど、毎日のようにこれらが起こっていると流石に誰かが意図的にやっているのではないかと思わなきゃいけなくなってくる。
残念だけど、これを怪奇現象だと思ってしまうほど私はバカじゃない____。
「なんでかなぁ。」
「なんや、非凡。悩み事かいな。」
誰も廊下にいないと思い、そう独り言を呟くとどうやらそれは聞かれてたらしい。
烏くんに話しかけられてしまう。後ろからは乙夜くんと氷織くんも烏くんを追いかけてきている。
「ちゅーす、Aちゃん。元気ー?」
「Aちゃん、おはよ。」
烏くんに追いついた彼らは私に挨拶をしてくれる。
彼らとは氷織くん経由で仲良くなった。氷織くんと烏くんは同じユースチーム出身らしく、そこに乙夜くんが加わったらしい。
「おはよう、みんな。全然元気だよー。」
「ほんま?ちょっと疲れてるんとちゃう?」
元気と答えてみるものの、氷織くんから疑われてしまう。そんな疲れてる顔してるだろうか…?
「えー?そんなことないよ、多分。」
実際前よりも同じ工程を2回やらなきゃいけなくなってしまい、疲れがたまってると感じていて、うまく嘘がつけずに“多分”という不確定な言葉を使ってしまう。
「多分ってなんやねん!自分の体調くらいしっかり把握しろや、ボケ。」
「烏ってもしかして、ツンデレ?あんな心配してたのに。」
「うっさいわ、乙夜!!ほっとけ!!」
「素直やないなぁ。素直に何かあったら頼ってって言えばえぇのに。」
「氷織、お前もうっさいわ!!」
案の定烏くんに突っ込まれてしまったが、それが気にならないくらい私の前でテンポよく会話が進んでいく。
私はその会話に面白さを感じながら耳を傾ける。私が静かに聞いてると、
「そんで、非凡。何があったんや。」
と、私のところに話題が飛んでくる。どうやら、彼らの話はいつのまにか私がなぜ疲れてるのかという話題になっていたらしい。
疲れていることを見抜かれており少し驚いたけれど、心配皿で悪い気はしないので踏ん切りをつける。
でもすぐに、このことは話していいのだろうかと悩んでしまう。
どうすれば良いのだろう。
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作者名:そっち | 作成日時:2024年2月11日 11時