第54話 ページ7
私の隣にいる潔くんからそう声が聞こえ、手を見てみると確かに私に勝っていて。周りを見渡しても、他に私に勝ってる人はいない。
「お、潔くんの一人勝ちかな?」
念の為みんなに確認をとろうとそう問いかける。数人がこくりと頷いてくれる。
私は潔くんの方を向き、
「それじゃ、潔くん。何かしてほしいことある?」
と尋ねる。
潔くんは、「本当にいいんすか!?」と驚きながらも悩み始める。私が潔くんのその様子を見てれば、後ろから
「なぁ、Aもう1人増やさねぇ?」
と、千切くんに声をかけられる。
「えー?だめだよ。」
「Aお願いー!!古き友からのお願いっ!」
私がそういえば廻が今度は乗ってきてそう言う。しかも、少しばかり私が可愛いと感じるポーズで。なんなら、千切くんまで上目遣いをしようと屈みかけている。
この人たち絶対わざとだ。私の心に訴えかけてきてる。
そうわかっていても、心が揺れ動いてる。
「おいテメェら!男なら言ったこと撤回すんじゃねぇよ!!」
「…!雷市くん…!」
わかった、と言いかけていた私よりも少しだけ早くそう雷市くんがそう言ってくれた。
「えー!雷市はご褒美ほしくないのー?」
「欲しいに決まってんだろ!でも、二言があったら俺のポリシーに反するんだよっ!!」
雷市くんがそう言ってくれたことで、私も惑わされずに、ダメということができそうだった。
今度こそ断ろうと口を開きかけた時、
「決めた!」
と今度は潔くんが口を開いた。
「A、俺きんつば食べたい。それか、世一ってAに呼んで欲しい!」
と。どうやら、潔くんのご褒美の内容が決まったようだ。
「そうだな、きんつばぐらいならすぐ準備できるし、両方やろうか?」
「マジで!?じゃあそれで!」
私の言葉に嬉しそうに笑ってくれる潔くんにこちらまで笑みが溢れる。
「えー、潔ずるーい。俺だって豹馬呼びがいいんだけど?」
そんな声が後ろから聞こえる。
「もー、千切くん。これ潔くんのご褒美だから。千切くんにご褒美あげる機会があったらそれ言ってよ。」
「なるほどね。じゃ、ぜってぇ呼ばせるからな。」
私の言葉は千切くんの中の何かを燃やしてしまったらしく、彼は目を光らせていた。
「世一くん。これにあとはきんつばで平気かな?」
「うっす!」
最終確認として私が聞けば世一くんはそう力強く頷いてくれた。ご褒美が決まったところで各自解散となった。
後日、世一くんにはきちんときんつばを渡しました。
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作者名:そっち | 作成日時:2024年2月11日 11時