【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。II (ページ4)

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第51話ページ4

後半戦が始まってから、すぐ激しい攻防戦が始まる。
もうこの先、この試合の展開がどうなるなんて判断することはきっとできない。それくらい彼等の戦いはただただすごくて、どちらが勝ってもおかしくはなかった。

耳についてるインカムから流れてくる、アンリさんと絵心さんが話している声。彼等は、“覚醒”について話していて。その話を聞きながら私も見ていれば、彼等が次々に覚醒していっていることがわかった。

覚醒をするのは、チームZ(彼ら)だけでなく凪誠志郎(てんさい)も同じで。
今まで玲王くんからのパスを受けて動き始めた彼が初めて自ら動き出した。そして、彼は華麗にゴールを決めた。

「ねぇ、玲王。後何点取る？」
そう言った彼の言葉に、鳥肌が立つ。
私は今、とてつもない天才が覚醒するところを見ているのかもしれない。

再び、凪くんがシュートを撃とうと走り出した時。

“久遠渉レッドカード！退場！！”

そう言葉が鳴り響いた。

「誠志郎くんっ！！」
そして、そんな姫花ちゃんの言葉も聞こえて。姫花ちゃんはフィールド内に走り出していた。
慌てて、私はフィールドの状況を確認する。
久遠くんが凪くんに後ろから抱きついたらしかった。
私は急いで救急箱を持ち、姫花ちゃんの後を追う。

「誠志郎くん、大丈夫！？」
「テメェ、何してんだよ！！」

ざわつくフィールドの中で私は救急箱を広げる。

「2人とも落ち着いて。慌ててもしょうがないよ。」
「でも、凪がっ！！」
私の言葉に反論しようとする玲王くん。
「大丈夫！深呼吸、深呼吸！」
そんな様子の玲王くんに私は深呼吸をするように促す。その隣で、姫花ちゃんは落ち着きを取り戻し、凪くんに話を聞いていた。

「誠志郎くん、どこか痛いところある？」
「ううん、へーき。それより、Aは？」
凪くんはそう言って周りを見渡す。姫花ちゃんと凪くんの会話で私の名前が出て、驚きつつも、私は彼の近くに行く。

「凪くん、どうしたの？」
「あ、いた。ちょっと来て。」
彼が何をしようとしているのかわからないまま、私は彼が指差すところに行く。

「「「「っは！？」」」」

「…え？」
私とみんなが驚くのも仕方がないと思う。
なぜなら、彼は、凪くんは私に急に抱きついてきたのだから。それも、

「A充電中ー。」

と言って。

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