【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。II (ページ21)

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第68話ページ21

「あ゛？そんなわけねぇだろ。」

私の想いを汲み取ってくれたかどうかはわからないけれど、姫花ちゃんに最初に話しかけたのは意外にも凛くんだった。
意外にも、なんて言ったら失礼だけれど、私の中でなんとなく凛くんはこういういざこざに興味ないと思っていたから。そんな凛くんでさえ、放っておくことができない＿＿＿。やっぱり、姫花ちゃんはみんなから愛されているのだ。

「女の子は可愛いだけで最強だかんね。そのために努力できてるんだから、取り柄、あるでしょ。」
黙ってしまった凛くんの意思を引き継いだかのように、乙夜くんがそう言って。

「だな、実際俺は姫花のおかげでここまでこれたと思うし。それに、俺らは姫花に感謝してるよ。」
「そんなわけない…！！だって、それなら！！どうして…！彼女ばかり構うのよ！！」
今まで静かに聞いていた姫花ちゃんは世一くんのその言葉をすぐに否定した。
それでなんとなく私は理解した。彼女は“不安”なんだ。自分の努力を否定されてしまうような気がして。

「姫花、それは本当だ。ただ、俺らは姫花の夢を応援したくて、それで、どう接すればいいのかわからなかったんだ！！」

國神くんは優しい声で、姫花ちゃんを落ち着かせるように声をかける。その事実を聞いた姫花ちゃんは意味がわからないと言った感じで、頭にはてなを浮かべていた。

「だって、姫花俺らに初めてあった時、言ってただろ？“夢を叶えるために来た。”って。」
そう言われて、姫花ちゃんはハッとしたような顔になる。

「それで、最近姫花夢を叶えるために忙しそうだったから、俺らどう接すればいいかわからなくて…。不安にさせちゃってごめんね！！」

千切くんや廻が國神くんの言葉を補足するようにそう言う。そうすれば、姫花ちゃんの目から再び涙が溢れ始める。その涙は先ほどの涙とは違う意味に捉えることができて。
きっと彼女は、気づいたのだ。自分自身が愛されているということに。自分の努力を認めてくれる人が周りにたくさんいたということに。今なら、私も話して大丈夫だろうか。

姫花ちゃんをまた泣かせてしまうのではないかと、不安になったけれど、意を決して私は口を開く。
姫花ちゃんに、伝えなければならないことを伝えるために。

「姫花ちゃん、あのね。」

私が声を出すと今まで、姫花ちゃんに向いていた視線が、一気に私に向く。少し怖くなったけれど、私はそのまま続けた。