【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。II (ページ15)

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第62話ページ15

「お前は誰視点なんだよ！」
廻の言葉に世一くんがそう笑いながら答える。世一くんの笑いが周りに伝染したかのように、私や千切くんたちも笑う。そんな感じのやり取りをしばらく繰り返す。

「すべての棟で、第一次選考が終了しました。」

次の話題はなんだろうか、そう思っていたところアンリさんの声でそうアナウンスされる。

「「「「……！」」」」
騒がしかった周りの雰囲気が一瞬静まり返り、息を呑む音がした。これから彼らはもう“仲間”ではなくなる。今日で、チームZは解散なのだ。
だけど、なんとなくだけれど。この先も彼らは今とあまり変わらずに関わりあうんだろうなと、なんとなくそう感じた。

「ついに始まるのか…。第二次選考(セレクション)が。」
「だな。ここから先は恨みっこなしだからな。Aの件も含めて。」
「！？本人の前で言うなっての！」
千切くんの言葉に先ほどのように國神くんが反応する。國神くん以外は、力強くしっかりと頷いていた。その目に闘志をやどして。國神くんの目にも、少し遅れて、闘志がやどる。私はなんとなく感じた。きっとこれが彼らの中にある“エゴ”なのだと。

「じゃあ、私先行くね。また後で。」
私はそう言って、彼らから離れる。
そして、この後彼らが集まる予定の部屋に向かう。
私が着いた時にはすでに姫花ちゃんやアンリさん、絵心さんが着いていて。私は慌てて、3人が集まっているところに近づく。私が近づいたのを確認してから、絵心さんは、この先のことについて説明をする。

説明が終わり、後はもうただ選手を待つだけ、となった時。姫花ちゃんから話しかけられる。

「Aちゃん、この後ちょっといい？」
と。

「え？別にいいけど…。」
急な姫花ちゃんからのお誘いに戸惑いつつも、特にこの後予定がない為、そう答える。私の答えを聞くと姫花ちゃんは満面の笑みで、「良かった！」と言ってくれる。いつもならその可愛らしい笑みが、なんとなく今の私にはとても怖いものに感じられた。

「別に後じゃなくても、何か話があるなら今でも大丈夫だよ？」
2人きりになるのが怖くて、絵心さんたちもいる今話してくれないかなとそう聞いてみる。
だけど姫花ちゃんは私のその提案を首を横に振って否定する。

「ううん！2人で話したいんだ〜！大人数だとちょっとね…。」
そう言って。最後に小さく何か言われたような気がしたけど、私には聞き取ることができなかった。