第61話 ページ14
絵心さんから姫花ちゃんの話を聞いてから数日。いまだに、姫花ちゃんは決めかねているらしかった。直接的には言われてはないけど、姫花ちゃんの顔が晴れていなかったから。それと同じように、まだ嫌がらせのようなものは続いていて。でももう、それはそれで開き直りかけていた。
そんなことを考えていたら、ここ数日チームZが使っているトレーニングフィールドについていて。
「あ、廻に世一くん!今休憩中?」
「あー!A!!」
私は、トレーニングフィールドの端で座り込んでいる廻と世一くんに話しかける。2人とも、特に世一くんはひどく疲れてるようで、顔がとてつもなくやつれていた。
「トレーニングってやっぱり大変?」
「大変かな…。ご飯とか口通らないです。」
アハハ、と自嘲気味に乾いた笑い笑いをこぼしながら世一くんは言う。
「潔、ずっと吐いてるもんね〜!」
そんな世一くんを見て、サラリととんでもない事実を暴露する廻。世一くんは、隣で「おい、蜂楽!」と、少し頬を赤くしながら言っていた。それを見て廻は楽しそうに笑っていて。
「おーい、潔に蜂楽。抜け駆けか?」
それを私がぼーっと眺めていると後ろからそんな声がして。後ろを振り向けば千切くんと國神くんがこちらに向かって歩いて来ていた。
「抜け駆けって…。話してただけだし!」
少々呆れ気味に世一くんがそう答える。
「本当かー?抜け駆けはなしの約束だからな。なぁ、國神。」
「あぁ、まぁ。フェアじゃないよな。…って、何聞いてんだよ!本人の前で!!」
千切くんの問いかけに、少し慌てながら答える國神くん。そんな國神くんの様子に千切くんは満足そうにプハっと笑う。
「ちぎりんと國神なんか俺たちに用あったの?」
「んー?いや?ただAと話してんの見えて楽しそうだなって思って。」
廻の問いに千切くんが答える。
「じゃあ、残念!俺らが今話してるところだから、ちぎりん達は話せません!」
「え、ちょ、廻!?みんなと話そうよ!!なにその順番制みたいなやつ!!」
「えー?じゃあAは俺と話したくないってこと?」
私がそんなことを言ってみれば、目をうるうるさせて、そう私に訴えかけてくる。この人絶対わざとだ。私のツボをわかってる。
「そんなことないけど…!でもほら!せっかく千切くん達もこっち来てくれたし!」
「えー?」
「みんなで話した方が楽しくない?ね、廻。」
「…それもそっか!ちぎりんよ、この輪に入ることを許そう。」
廻はふざけてそう言った。
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作者名:そっち | 作成日時:2024年2月11日 11時