【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。 (ページ9)

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第7話ページ9

「かい、ぶつ…？」
予想外の言葉が出てきて少し困惑してしまう。
「うん、サッカーしてるときにね、でてきていっしょにサッカーしてくれるんだ。」
「そっかぁ。」

何を返せばいいのかわからなくてありきたりな返答になってしまった。
すると廻は不安そうで、悲しそうな顔をしながら
「きらいになった？」
と聞いてきた。
そしてなんとなく理解した。
彼がこのことを伝えるのを躊躇した理由。
おそらく彼はこの事をなかなか理解されない事を子供ながらに理解しているんだ。
きっと、あの時の。私が廻と出会った時の喧嘩もこれが少なからず関係しているのではないのか。
そして彼は本当は1人でサッカーをするのは寂しいのではないのか。
そんな疑問も上がってくる。

私が答えないでいると彼の顔はさらに不安そうになっていく。
私は慌てて、彼の問いに答えた。
「嫌いになんてならないよ、まあそりゃ驚いたけどね。」
「本当？これからも遊んでくれる？」
彼は先ほどの表情から一転、目を少し輝かせる。
「もちろん、こちらこそ廻と遊ばせてよ。」
「うん！じゃあー今日はねー！」
廻は嬉しそうにして、今日は何をして遊ぶかを考え始めた。
私はその様子を見ながら先ほど思った事を考え始める。
もし彼が少しだけでも寂しいと思っているのなら。
私は彼のその寂しさを取り除きたい。少しだけでも。
もしこの先辛いことがあったとして、今よりももっと寂しくなった時、今この時の経験が心の支えになるような気がするから。

「よしきめたっ！きょうは、ひさびさにおれがサッカーするところみてて！」

廻は考えがまとまったらしく、今日は何をするのかを伝えてくれる。
いつもはそれに賛同して、遊び始めるのだけど今回は。

「ねぇ、廻？今日はいっしょに私もサッカーしてみてもいい？下手だけど…。」

「え？サッカー、いっしょにできるの！？」
彼は嬉しそうに目を輝かす。

「うん、下手くそだけど。たまにはね。」

「やったー！早くやろー！！こっち！！」
廻は私の手を引っ張り、少し広いところまで連れてく。

そして私たちはサッカーをし始めた。