【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。 (ページ49)

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第47話ページ49

姫花side

私は、生まれた時からヒロインだった。でも、私はそれに慢心したことはない。ずっとヒロインであることに責任を感じて努力してきた。スキンケアや、体型管理はどんなに辛くてもやってた。夢を叶える勉強だって。

それなのに…。

青い監獄(ブルーロック)に来て数日。
ここで愛されているのは私じゃない。
私じゃないもう1人の女の子、水無瀬Aだ。
あの子は、失礼だけど可愛くなる努力をしていない。だから私の方が絶対に可愛いくて。それなのにあの子ばかりが愛されている。頼られるのも、周りから好意を向けられているのも全部彼女。

なんでよ…！おかしいじゃん！？だって私の方がきっと可愛くて、性格だって良くて
なのに！なんで…？

そしてそんな愛されてる彼女がとてもとても羨ましくて。私の地位がなくなってしまいそうで怖くて。

そう思った時私の頭の中に2文字の言葉が浮かんだ。

「もしかして私、Aちゃんに“嫉妬”してるの？」

嫉妬。

それはヒロインから程遠い感情。ヒロインなら絶対持たない感情。ヒロインは基本嫉妬しない。だって、それがヒロインで、ヒロインは常に嫉妬される立場だから。
なのに私は彼女に今“嫉妬”している。

　

“私はヒロインじゃない”

そんな悪い考えが頭に浮かんでくる。
もし、もしも私がヒロインじゃないならば。
私はヒロインをいじめる悪女だろうか。

私は頭を振ってそんな考えを追い出す。

「大丈夫。私はヒロイン。今までだってそうだったじゃない。」

私に言い聞かせるように私は呟く。
そんな私の呟きは誰にも聞かれることなく消えていく。

私は今回も、ここでも、私が生きている限り、私はヒロインだ。
でも、もしヒロインじゃないとしたら。
彼女が、水無瀬Aがヒロインだとしたら？

私は彼女を追い出さなきゃ。
だってあの子がヒロインならば、私の努力はなんだったの？あの子よりも努力してるはずなのに…！私がここにいる間ヒロインでいるために。私の努力を無駄にしないために。

でも、彼女を追い出す為に仕事の手を抜いたりしない。
少女漫画の悪女みたいに、マネージャー業やトレーナーの仕事まで支障を出すようなことはしたくない。彼らに迷惑をかけたくない。それに私には“あの話”も来てる。それをどうするか決めるまではしっかりやる。

私はこの時決意したんだ。

“ヒロイン”を続けながら、いずれ彼女を追い出す

と。

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