【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。 (ページ47)

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第45話ページ47

「なんだ、お前？」
少しガラ悪く、片眉を吊り上げながら玲王くんはそう聞く。
そんな態度を気にも止めずに、彼は凪くんを指さして言い放った。

「サッカー舐めんな！！」
と。
「だから誰だ、テメェ？」
そんな問いにようやく彼は答える。けれどその答えも挑発がわかりやすく入っていた。それは私でもわかるくらい。なぜなら彼は、

「チームZ、潔世一。お前らに勝つ人間だ。」

と言ったのだから。
玲王くんは何か言い返すのかと思ったが、すぐさま口を閉じ、足を進めた。
「Aも行こうぜ。」
「え！？ちょ、待って！！」
私が慌てて後を追うために走り出し、チームZの横を通り過ぎようとすれば手を掴まれる。
後ろから私が走ってくる気配が消えたからか、玲王くんたちは止まる。
私は、私の手を掴んでる人の正体を目で探す。
手を掴んだ人がわかった時、私は少しばかり驚く。
なぜなら、そこには今日のお昼会った時とはあまりにも雰囲気が変わっている千切くんがいたから。

「千切くん、どうしたの？」
「俺、Aに早く報告したいことがあって。」
千切くんはそこで一呼吸置いてから、私の目をしっかりと見て、
「俺、走ることにした。」
と、伝えてくれた。
そんな彼の言葉に私はすぐに反応する。

「そっか、頑張ってね！何かあったら姫花ちゃんでもいいから必ず言って。力になるよ。」
「おう！その、色々ありがとな。走る決断したの潔や姫花のおかげもあるけどAの影響も大きいからさ。」
「ううん、私は何もしてない。頑張ったのは千切くんだよ。」
「この後、時間あるか？もう少し話したいんだけど。」

私は「えっと、」と言いながら視線を玲王くん達の方へ向ける。
玲王くんは私の目線に気づくとすかさず私たちの会話に入ってくる。

「悪いな、これからAは俺らと用があるんだ。」
「は？ちょっと前から見てたけど、まだA賛同してなかっただろ。」
「そうそう〜！俺もAと話したい〜！！」

千切くんに廻が後ろから飛びつきながら、そう賛同する。
「A、玲王、行こう。もうめんどくさい。」
「凪もこう言ってるしもういいだろ？」
玲王くん達と千切くん達の間に険悪なムードが流れる。

「まさに一触触手だな。」
私の隣で今まで黙っていた剣城くんがそう言って思わず笑みが溢れる。

「剣城くん、それを言うなら一触即発かな！」

私たちの声はどうやら、聞こえてなかったらしく、いまだに向こうはバチバチしていた。