第36話 ページ38
凛くんに会った日から2日後ほど。
各棟で、一次
潔くんたちがいる5号棟では確か今日がチームZの2回戦目だったはずだ。この試合で、ここの棟で脱落するチームが決まるはずだ。今回、チームZの相手であるチームYもすでに1回チームVに負けている。今回のこの試合はお互い後がないチーム同士の戦いなのだ。
負けた方が、得点王を除いてここを去らなきゃいけない。誰かの、サッカー人生が今日ここで終わる__。
これから先、この棟で何か起こりそうな予感を感じながらも私は1人仕事を進めていった。
「A〜!俺ら勝ったっ!!」
食堂で、私が机の片付けをしている時。
嬉しそうな声で、そう言いながら廻が近寄ってきてくれる。
そして、私に手のひらを向ける。
「廻、おめでとっ!」
瞬時にその意味を理解した私は、そう言いながら廻とハイタッチをする。食堂には、私と廻がハイタッチしたパチンという音が響いていた。
「にゃはは〜!潔がね、凄かったんだよ!!」
廻はそれはそれは嬉しそうに、それでいて楽しそうに今日の試合で何があったかを教えてくれる。
私はそれを静かに聞く。
「最後に、潔がゴールを決めたの!!俺のアシストでねっ♪」
ルンルンな廻に私も思わず、笑みが溢れてしまう。
「ふふ、廻ここに来てからすごく楽しそう。」
「うん!俺すっごく楽しい!!Aや潔に会えたしね!」
「なら良かった!これからも頑張って。」
廻は「うん!」と元気に頷いてくれる。
廻が頷くと同時に、廻に
「おーい、蜂楽ー!作戦会議するぞー。」
と、声がかかる。
どうやら、國神くんが呼びに来たらしい。
明日の試合に備えて、作戦会議をするらしい。
ここから先のチームZは試合が立て込んでいる。
3日ほどずっと試合があったはずだ。
「廻、行ってきたら?」
「えー?Aも来てよ!」
「私、まだ仕事残ってるからなぁ。」
廻が中々来ないことに痺れを切らしたのか、國神くんはこちらに近づいて、廻の首根っこを掴む。
「すまん、A。蜂楽借りてく。」
「ううん、平気。國神くんも頑張って。」
「おう!」
國神くんはそれだけ言って、廻を引きずりながら去ってしまう。
私はそんな様子を見送ってから仕事に戻る。
次の仕事である、保健室の物の確認等をしている時。
「あ、」
と、保健室の入り口から声がした。
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作者名:そっち | 作成日時:2023年11月30日 14時