第32話 ページ34
そんな言葉に笑みが漏れる。
「私もまた廻と会えて嬉しいよ。」
本当に、また会えて嬉しかった。たとえこの先彼に嫌われてしまう運命だとしても。
「ねぇねぇ、Aちゃん!廻くんと知り合いだったってことは怪物のことも知ってたの…?」
彼女は不思議そうに首をコテンと傾げて私に尋ねる。
「うん、少しだけだけどね。遊んでた時に廻が教えてくれてね。」
「そうそう〜!その時初めて一緒にサッカーしたんだよね〜っ!」
「え!Aさんってサッカーできるの!?」
潔くんは驚いたのか、口と目が大きく開いてる。
だけど、残念ながら私はできない。
「ううん、出来ないよ〜。サッカーどころかスポーツ全般ダメ。」
私の口からあははと乾いた笑いと一緒に言葉が出る。
「あの時も凄かったよねっ!Aめちゃくちゃ転んでた!」
「うそ!覚えてるの!?」
「もちろん♪楽しかったし、A面白かったから!」
「最悪…。忘れてくれない?」
「はは、Aさん顔真っ赤!」
潔くんは私の顔を指さしながら笑う。
「ほんとだ〜!タコみたいっ!!」
廻も私の顔を覗き込むならそう言って笑う。廻にあの時の醜態を覚えられていると思わなかった私はただひたすらに恥ずかしかった。穴があったら入りたいっていうのはこういうことなんだろうな…。
「てか、蜂楽とAさんってほんとに仲良いんだな!」
「わかる〜!羨ましいくらい…。私も仲良くなりたいな…。」
潔くんのふとした言葉に反応するように、先ほどまで静かだった姫花ちゃんが小さく目を伏せてそう言った。その言い方に少しだけ胸騒ぎがしたのは気のせいだろうか。
「でしょっ♪これからもよろしくねー!A!」
「もちろん、こちらこそだよ。」
私たちは顔を見合って笑う。
「…っ!なんで、うまくいかないの…?」
笑い合っていた私は、その時姫花ちゃんが言っていたことなんて全く耳に届いていなかったんだ___。
しばらく、私たち4人が話をしていると部屋の中にあるスピーカーからチャイムのような音が鳴る。
スピーカーから響くアンリさんの声に耳を傾ければ、部屋に戻るよう促された。
私たちは急いでボールを片し、練習していた部屋を後にする。潔くんと廻とは途中で別れ、私と姫花ちゃんは各自の部屋へと戻った。
そして、私はベッドの中に入り目を瞑り、眠りについた。明日から始まる第一次
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作者名:そっち | 作成日時:2023年11月30日 14時