第30話 ページ32
彼らが
今日も今日とて、仕事を一つずつ片しようやく最後の一つである夜の見回りをしていた時。
少し暗くなっている廊下に一つの部屋から明かりが漏れていた。明かりが漏れる部屋の中に入っていくと、そこには潔くんに廻、そして姫花ちゃんがいた。
「あーっ!A!ちょうどいいところにっ!」
廻から抱きつかれる。
最近の廻はずっとそうで。私を見つけるたびに抱きつく。その光景はもう日常になっているのかもうほとんど誰も驚かない。
「廻、どうしたの?なんかあった?」
「ううん!実は今から潔と練習するんだ!Aまだ俺のスーパープレー見てないからちょうどいいでしょ?」
廻は少しドヤ顔になりながら、それでいて嬉しそうな笑顔を見せながらそう言った。
「うーん、そうだね。潔くんと姫花ちゃん、私もお邪魔していいかな?あ、練習の邪魔は絶対しないから!」
「俺は別に平気…デス。」
「私もっ!平気だよ!」
潔くんは少しカタコトの敬語を使いながら、姫花ちゃんは花が咲いたような笑みを見せて、承諾してくれた。
そんな2人の様子に思わず笑いがこぼれる。
「潔くん、無理に敬語使わなくていいよ。私の方が年下だし!」
笑いながらそう言う私に、潔くんは少し驚きながらも、「はい!」と答えてくれる。
「姫花ちゃんもありがとーね。私端っこ行ってるね。」
ここにいさせてくれることにお礼を言ってから私は邪魔にならないよう端っこへ寄る。
私が端っこに寄ってからすぐ、彼らの練習が始まる。
姫花ちゃんはどうやら、目と頭が少し周りとは違うらしい。
なんでも、どんなスポーツだろうとプレーだろうと一度見ただけでその選手の癖を、改善点を見つけ出してしまうのだという。
だからなのか最近、と言ってもここに来てからまだ数日しか経っていないが、それでも彼女はたくさんの選手の方から頼られていた。多分廻も潔くんも、彼女にプレーを見てもらうために彼女を練習に呼んだんだろう。今この瞬間も姫花ちゃんは真剣にプレーを見て、改善点を探している。
ちなみに私はさっぱりだ。サッカーを学ぼうとは思っているものの、中々行動に移すことができず、後回しになってしまっている。
なんてことを私が考えているうちに一区切りついたらしい。私は彼らが集まっているところに向かう。
私がそこに着くと同時に、
「俺の中に怪物がいるから。」
と、廻が潔くんたちに言っていた。
125人がお気に入り
「ブルーロック」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そっち | 作成日時:2023年11月30日 14時