【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。 (ページ29)

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第27話ページ29

「凪が食べたいって言ったんだろー？せめて、これは食べろよ。」
玲王くんは、凪くんがたべかけのご飯を指さす。
「えー、めんどくさーい。」
「こら、筋肉つかねぇぞ？」
「いいよ、別に。サッカー辞めれるし。」
「おい！最後まで一緒にいるんだろ？」
「そっか。じゃあ食べるー。」
私と姫花ちゃんの前でテンポのいい会話が繰り広げられる。
凪くんは玲王くんの一緒にいる、と言う言葉に納得したのか再びご飯を食べ始めた。
それにしても、サッカーを辞めてもいい、と言うのはどう言うことなのだろうか。

私が1人悶々と考えていると、凪くんが不思議そうな顔をして、
「Aは食べないの？」
と尋ねてきた。
いきなりの名前呼びと、私の名前を覚えていたと言う事実に驚いてしまう。そんな私を見てさらに不思議そうな顔をする彼。それを見た私は慌てて反応をする。
「ううん、食べるよ。てか、私の名前覚えてたんだね。」
そんな私の言葉に彼の顔はキョトンとしたものに変わり、
「うん、だって昨日散々聞いたもん。玲王とも話してたし。」
と言う。
「そうだっけ？それはともかく改めてよろしくね、凪くん。」
「うん。」
凪くんは短く返事をすると、再び食事に戻ってしまう。
私たちが話している間、姫花ちゃんと玲王くんの間でも話が盛り上がっていたらしく。入るのもアレかと思い、私も黙って食事に戻る。

「ねぇ、A？なんで、俺さん呼びからくん呼びになったの？」
「え？」
凪くんからの突然の疑問に思わず声が出てしまう。
「昨日会った時はさん呼びだった気がしたから。」
「あー！昨日ね、思ったんだよね。早くみんなと距離を縮めるにはまず自分からいくべきかなって。でも、流石にいきなり下の名前で呼ぶのはアレかなって思ったから、仲良くなれるまでは苗字+くん付けでいこうかなって。」
「ふーん。じゃあ仲良くなったら、俺も名前呼びになるんだね。」
「うーん？まぁ、そうなるのかな。」
凪くんは私のそんな言葉にへぇ、とだけ言ってそのまま机に伏せてしまう。
凪くんが持ってきていたトレーを見ると、見事に完食をしていて。
「凪くん寝るの？」
「うん、玲王が食べ終わるまで寝る。」
そう言って彼は本当に寝始めた。

凪くんが寝始めてからしばらくが経った頃。
玲王くんも食べ終わったのか、凪くんのことを起こす。
そして流れるようにおんぶをする。

そのまま今日はお開きとなった。