第20話 ページ22
玲王、というのは一緒にいた紫髪の人のことだろう。
寝起きだからと言って間違えるだろうか、普通。
男と女だぞ??
「違いますね、皆さんのサポート役として来た水無瀬Aです。」
「あー、そんなの言ってた気がするー。それで何か用事?」
「用事も何も、ここで寝てるの見えて来たんですよ。部屋で寝てもらおうかなって。」
「えー。部屋戻らなきゃダメー?歩くのめんどくさーい。」
彼はまるで他人事のようにそう言って再び目を閉じようとしてしまう。
「身体痛めますよ。」
「うーん、じゃあ君が部屋まで運んでよ。」
彼は名案を思いついたかのように言う。
だけれど無理だ。
普通に考えて体格差がエグいのだ。
彼の身長はおそらくだがぱっと見で185以上。
もしかしたら190代に入っているだろう。
そんなただでさえ大きい彼にサッカーをしている分ついた筋肉もあってガタイもいい。
それに対して私は転生した記憶があるだけのただの一般人。そして悪女。筋肉などもヒロインほどないわけではないが、一般人程度しかない。
さらにそれにプラスするように性別による元々の体つきの差。
これで彼を運べるだろうか…。
「いや、無理でしょ。」
「えー、じゃあここでいっか。」
そう言って目を閉じてしまった彼。
私は彼をそのまま見捨てて部屋に戻ることもできず、ただひたすらに彼が寝ている見るという側から見れば、変な人と思われるような行動をしていた。
何この空間、めっちゃシュール。
誰でもいいから、この空間に来てこの人運んでくれないかな…。流石にずっとこの人のことを見続けることはできないぞ…?頼む誰か、救世主!!
「おー!凪いた!!」
そんなバカみたいなことを考えていると、本当に救世主が現れたかのように、1人の声がする。
声がする方向を向くとそこには、彼と一緒にいた紫色の髪の毛の男性がいた______。
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作者名:そっち | 作成日時:2023年11月30日 14時