第19話 ページ21
「叔父さーん!戻りましたっ!!」
姫花ちゃんは部屋に帰るなり、元気にそう伝えた。
絵心さんはそれが日常だったからなのか慣れた様子で受け答えをしている。
「ん、お疲れー。今日はとりあえずこれで終わりねー。」
「えー!叔父さんそれだけ??何かもっとないの??」
「あ、そうだった。アンリちゃんにそれぞれの部屋にここにいる才能の原石どもの資料置いてもらったから。それ覚えておいてね、明日までに。」
姫花ちゃんのその言葉に絵心さんは、今思い出したかのように結構大事そうなことを伝える。
「すみません、絵心さん。ふざけてます??私そんな記憶力良くないんですけど。」
「いや??まぁそれができないならROCK OFF。」
平然とした顔で言われて、少しばかり怒りを覚える。しかし、ここで怒っても仕方がないので堪えて、頷くだけ頷く。
頑張ってはみる、と言う言葉を添えて。
そんな私に対して姫花ちゃんは、
「私頑張る!!一緒に頑張ろうね、Aちゃん!」
ととびきり素敵な笑顔で言っていた。
「じゃ、とりあえず今日は部屋戻っていいよー。」
絵心さんのその言葉を聞いたのち、私たちは各自の部屋へ向かうため部屋を出て、一緒に帰っていた、
はずだった____。
なぜか私は部屋までの道を1人で歩いていた。
なぜか。
姫花ちゃんが絵心さんの部屋に忘れ物をし取りに行ったからだ。一緒に行く、と言ったのだが、疲れてると思うから平気だと断られてしまった。
一人でこの建物内の長い長い廊下を歩いていると、目の前にとても高身長で白髪の人が倒れている人がいるではないか。
まだ名前を覚えていないから誰かわからないが、紫髪の人と一緒にいた気がする。周りによく一緒にいる人がいないかを確認してから、私は彼に近づく。
「あの、大丈夫ですかー?」
返答はない。
声を出せないほど何かあったのか少し不安になる。
今度は声をかけるのとともに体を揺らしてみる。
だけれども、返答はない。
どうしようか困りきっていると密かにスピーっ、スピーっ、と健康的なような寝息が聞こえてくる。
もしかして…、と思い、彼のことを先ほどよりも強くゆすってみると今度はパチっと目が開く。
「んー?玲王?」
と、呟きながら。
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作者名:そっち | 作成日時:2023年11月30日 14時