神隠し偏：9 ページ10
夜も深くなり、冨岡は村の西側にある大きな松の木を目掛けて屋根を伝っていた。
(この家か…。)
到着すると確かに大きな松の木が立っており、家も大きい部類のものが建てられていた。
しかし奇妙な事に、夜になっても家から明かりは灯されず暗いままである。
流石に裏庭から入るのも不審に思われるため、堂々と正面玄関の扉を叩いてみた。
「…はい？」
しばらく待ってみると、出てきたのは少し虚な瞳を浮かべた男だった。
「すまない、一つ尋ねたい事がある。ここは松下のお宅で間違いないか？」
「そうですけど…うちに何か？」
「…。」
チラリと男を通して背後に見えた女の顔は、どこか怯えているようにも、警戒しているようにも見えた。
「…今回神隠しにあったと聞いて。ご縁に肖ろうと思ったのだが…。」
「あ、貴方もそんな事をおっしゃるのですかっ…？」
「…。」
弱々しく男の手は伸ばされ、冨岡の羽織を掴むが、その手を冨岡は優しく掴み返した。
「…この村の違和感に気付いているんだな。」
「っ…。」
「だったら何だって言うんです…？気付いた所であの子はもう帰ってこない。」
「話を聞かせてくれ…力になろう。」
チラッと羽織の隙間から刀を見せると男は暫く考えてから冨岡を家の中へと招き入れた。
「あの…貴方は一体。」
「俺は鬼殺隊だ。」
「きさつ、たい？」
聞いたことのない名前に夫婦は顔を合わせて首を傾げる。
「…知らなくていい事だ、お前達の知っている事を全て話せ。」
「えっ…でも…。」
「些細な事でもいい、知っている事を全てだ。」
冨岡の真っ直ぐな瞳に根気負けしたのか、男は口を開いた。
「私達がこの村に来たのはついこの間です、嫁の環が私の子を授かりまして、この村が栄えていると噂で聞いて嫁の為にと土地豊かなこの村に越して来たんです。村の人達も最初は環を見るなり大喜びで受け入れてくれたんです。」
「皆さんは私と子供のためにとこんな立派な住まいと精がつくものを沢山くれて…本当に感謝しているんです。」
でも…。
「私達以外にも同じ日に3人出産したんです…でも産まれてすぐ子供を抱かせてもらう事は出来ず、土地神様先にお披露目しなくてはならいと言うしきたりがあると言うので、この村でよくしてもらった以上従わないと失礼だと思い、渋々承諾したのです。」
「次の日子供が夫妻に返される中、私達の子だけは…返って来ませんでした。」
夫妻の瞳から涙が床へとポロポロと落ちていった。
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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (
レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです！派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます！私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです！ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします！ (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーたん | 作成日時：2020年2月12日 10時
