無限城編:1(挿絵あり) ページ48
『どうか…安らかに…。』
鬼によって殺された人達に弔いの言葉を添えて手を合わせる。
(師匠…私貴方に教わった全てをここで出し切ります、恐らく…この中に私の探している多目の鬼も存在しているハズだ。…生きて帰れるだろうか、もしかしたら炭治郎との約束を破る形になってしまうかも知れない。)
ガタガタと今になって死ぬ事への恐怖で刀を握る手が震えだす。
(お父さんっお母さんっ…2人の分まで私頑張るからっだから力を貸してっ)
刀を握る手に額を寄せて己を落ち着かせるように強く語りかける。
すると腕に一肌程の温もりがサラッと流れたきがした。
『っ!』
まるで、見守っているからと言われているような気がして自然と震えが止まった。
『ありがとう…頑張るからっ!』
ぎゅっと刀を握り直すとAは駆け出した。
突き進みながら昔多目の鬼によって染み付いた恐怖を探す。
(どこにいるっ多目の鬼っ!)
走っている途中、次から次へと現れる鬼の襲撃に苛立ちを覚える。
『だぁぁあっ‼』
苛立ちが最高潮に達した所で何体目か分からない鬼を倒すとドクッと全身をあの時の感覚が襲う。
ガシャンッ・・・ー
『あ、あっ…っおぇっ。』
手元から刀が落ちてあの頃の恐怖が走馬灯のように蘇る。
迫る吐き気に口元を押さえ、胸元に手を添えるとぐっと胸元の服を握る手に力がこもる。
『いるっ…近くにっ!』
刀を持ち直して踏み込むと行手を阻むように多くの鬼が現れるとAは青筋をたてて鬼を睨む。
『邪魔だぁぁぁあっ‼』
背中からもう一つ刀を取り出し、音の呼吸伍ノ型鳴弦奏々で道を切り開いてゆく。
『ハァ…ハァッ…。』
(見つけた…っやっとっ!)
Aは慌てて物陰へと隠れて様子を確認すると多目の鬼は静かに正座をしていた。
「…隠れずとも私は逃げん。出てきたらどうだ。」
『っ⁉』
(こんなにも距離があるのに気付かれている⁉)
A息を整えると胸から小瓶を取り出して握りしめる。
ーーーー(回想パート入ります。)
『珠世さん、少し良いですか。』
「貴方、柱の…。」
珠世と愈史郎に用意された屋敷に音もなく現れたのはAだった。
『牛村Aです、私は貴方と話がしたい。』
「…っ愈史郎、少し下がっていなさい。」
「ですがっ」
「愈史郎。」
愈史郎は顔を歪ませるとA睨んで部屋の外へとでる。
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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです!派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます!私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです!ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年2月12日 10時