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神隠し偏:4 ページ5

『お前は夫婦を村の人たちを騙して与えているのは幸福なんてもんじゃない…子供を産み続けねばならない生き地獄だ!』
「生き地獄、ねぇ・・・ならその生き地獄で生きているこの村の奴らを畜生とでも言うのか!お前も腐る程味わってきたはずだ!飢える苦しみを!本当の生き地獄を!人と言う鬼を!」
『っ!?』

走馬灯のように蘇ったのはあのころの苦しい記憶だった。

「人が皆お前のように拾われて幸せに暮らせるわけじゃないんだよ…。」
『っ…。』

「俺の目を見ろA、地獄を見てきたお前なら奴らの生き方もわかってくれるだろ?」

淡く光る鬼の目がいとおし気にAを見つめる。

「俺ならもうお前をこれ以上傷ものにしない。痛い思いもしなくていいんだ。」
『ほ、んと・・・?』

鬼の目の輝きが増した瞬間、Aの瞳に光がなくなったのを確認すると、ゆっくりと頬を撫で上げられる。

「あぁ、だから俺とこの村で暮らすんだ、お前が昔散々望んできた平和な暮らしをしよう。だから俺と"夫婦"になって村のみんなで幸せに暮らすんだ。」
『わか、たよ・・・大ちゃん。』
「いいこだ、わかってくれたならこの刀、抜いてくれるな?」
『ごめんね…痛かったよね。』

ズズッっと生々しい音を立てて抜かれる日輪刀はガシャンっと投げ捨てられた。

「いいよ、ゆるしてやる。なんたって俺はお前の夫だからな…今日は疲れただろう、ゆっくり眠ると言い。」
『え…あ…』

意識が遠くなる中、Aの頭に過ったのは見慣れた赫灼の髪だった。

『た、ん…じろっ』
「・・・。」

勿論、その言葉をこの鬼が聞き逃すことは無く、強くAを抱きしめると憎めしそうにその名前を口にした。

「だんじろう…お前は一体Aの何なんだっ」

そうして二人は深い闇へと溶けて行ったのだった。

Aの消息が立ったことは彼女の鴉のお滝によってすぐ様本部に伝えられた。

「っそうか…報告ご苦労様、君は主人が戻るまで休むといい。」

息を切らすお滝を撫で鬼殺隊の最高管理者である産屋敷耀哉は不味い事になったと声を漏らしたのだった。

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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです!派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます!私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです!ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年2月12日 10時

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