手合わせ2 ページ38
「それじゃ行くよ…。」
『っ⁉』
時透が地面を蹴った途端、素早く重たい攻撃が的確にAの苦手とする場所へと打ち込まれる。
『っ(前々から天才だとか言われてにわかに信じ難かったけど、こうも正確に打ち込まれるとこっちも踏み込み辛いっ)』
「ねぇ、本当に君上弦を倒したの?この程度で柱を名乗られる方が恥ずかしいんだけど。」
『んな⁉』
「これならよっぽど炭治郎の方が反応出来てたし、炭治郎の方が動けてたよ。」
『・・・にゃろ。』
「えっ」
『音柱の本気みせたるわぁ!!』
彼女のまとう空気が変わったのに気付くと、無一郎の身体は宙を舞い、地上にいるAの顔にある火傷が濃く広がるのが分かった。
「…ふーん、そう来なくっちゃ。」
しかし時透は臆するわけでもなく、体制を立て直すとこの状況を楽しむように口元緩めた。
結局二人の打ち合いは夕方まで続き、Aの地響きのようなお腹の音によって終わりを告げたのだ。
『〜っ!』
Aは慌ててお腹を押さえるも、お腹の虫は鳴き止む事なく鳴き続ける。
時透も突然の事に一瞬きょとんとするも、あまりにも必死なAを見て"ぷっ"と吹き出してしまう。
「ふふ、あははっ!何その音、人ってそんな音が出るんだ?」
『ひ、久々にっ本気出したからそのっ…恥ずかしいっ』
"穴があったら入りたい"と恥ずかしさのあまり両手で顔を覆ってしゃがみこむAを見兼ねた時透は彼女の視線に合わせるようにしゃがんだ。
「じゃぁ、一緒にご飯食べに行く?」
『…行く…ケド、驚かないでネ』
彼女のお腹の音以上に驚くことなどあるのだろうか?と思いながら、これから目の当たりにする光景に2度目の驚きが訪れる。
「まさかだけど、この量を一人で食べるつもりなの?」
『…ダカラオドロカナイデッテイッタモン。』
食堂を訪れた二人だが、Aが注文した物でほとんど机が埋まってしまったのだ。
「それだけ食べてる割には甘露寺さんみたいに成長しないんだね。」
『ナニヲイッテイルノカナ時透君。』
ベキっとAの持っている箸が犠牲になった音に、時透は舌を出してAから顔をそらした。
「誰も君が小さいなんて言ってないだろ。」
『何処見て小さいって言ったの時透君、オイコラこっち見ろや!』
「それって自分が小さいって認めてるってことだよね?」
はっ、と彼は手を口元に置いて遠い目をする。
『胸も背も成長途中じゃゴラァ!!』
時透の頭にタンコブが出来たのは言うまでもない。
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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです!派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます!私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです!ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年2月12日 10時