蛇柱稽古 ページ30
『ホント無自覚族って心臓に悪い!』
慌てて飛び出した後、気持ちを落ち着かせる為に歩いていたA。
しかし、近くの道場から何やら断末魔の様な声が響いたため、気になり恐る恐る窓の隙間に顔を寄せるとそこには想像もつかない程の地獄絵図が広がっていた。
(はわわわっうちのも酷い自覚はあるけどこれって流石に稽古ってよりは拷問ではっ⁉)
なんと、覗いたのはネチネチ柱コト、蛇柱の伊黒小芭内の道場だったのだ。
多くの隊士は彼の何に障ったのかは知らないが、至る所の稽古機材に縛りつけられているのだ。
(ひゃあー、どこぞの鬼の副長も驚きの拷問だよっ!)
可哀想に…と思っていた瞬間、何かに気付いた伊黒は稽古を中断してAのいる方向に顔を向けた。
『げっ⁉(まさかだけど、気付かれた⁉)』
慌てて逃げようとしたのも束の間、彼の独特の刀が私の腹すれすれを隊服ごと突き刺して行く手を阻んできたのだ。
『ちょっ危な!危うくお腹に穴が空く所だったわ!』
「チッ…避けたか。」
『聞き捨てならない言葉が聞こえたんですけどぉ⁉言っておくけど隊律違反だからね⁉』
「俺がそんなヘマする訳無いだろう、馬鹿め。」
『いちいち癇に障る男だなぁ!そんなんじゃ蜜璃さんに相手にされないぞ⁉』
「・・・。」
伊黒が黙って刀を抜いたかと思い一息ついている時だった。
バキャッ!!!!
『ぬんぉ⁉』
突然真横の壁の破壊音と共に大きな穴が空き、気配なく伸びた腕にあっという間に捕まったのだった。
『ちょっ⁉』
「…。」
しかし伊黒は暫く捕らえたAを見ると何か閃いたのか、彼女を道場の中へと引きずり込んでいった。
「お前ら喜べ、音柱が直々にお前らの為に体を張って協力してくれるそうだ。」
『なっは⁉』
気付けばAは横向きの丸太に縛られ、その光景を見た隊士は顔を青くした。
『ちょっ!何なのコレ!何で私が⁉』
「このアホに当たらない様に俺との打ち合いが出来た者から次の稽古に進め、異論はないな。」
『オオアリだわ!ネチネチ柱ァ!無視するなや!』
「下手に喋れば舌を噛むぞ?俺としては都合がいいがな。」
かつてない程に楽しそうな伊黒にAは白目を向けた。
『頼むから当てないでよねっ⁉』
「安心しろ、俺は1人につき確実に1度は当ててやる。」
『畜生め!』
こうして始まった蛇柱稽古は全隊士無事にAに当たる事なく通過したと言う。
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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです!派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます!私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです!ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年2月12日 10時