宇髄さんの所のお弟子さん

冨岡さん ページ28

『あ、師匠。』
「善逸ー、走るか俺に扱かれるか選べよ？」
「えっ…どっちもおな「善逸？」

師匠はコレでもかと笑顔で善逸の名前を呼ぶと、善逸は顔を青くして走り去ってしまった。

「っち、根性ねぇ奴だなぁおい。」
『いや…流石に誰でもあれはこわ「A？」
『あぁーなんだか私冨岡さんにお話しし忘れてる事思い出したようなー！ちょっと出かけてきますねぇ！』
「あ！おい！ったく…しゃあねぇ奴だなぁ。」

Aのあからさまな態度に宇髄はため息を溢すも、娘同然の彼女に心を許せる仲間が出来た事に素直に安心している自分がいる事に気付く。

「子離れが出来ないのは俺の方か…。」

宇髄は少し寂しげな顔を浮かべ、稽古を再開するのだった。


ーーーーー

『ここが冨岡さんの屋敷？』
「カァー！ココノ老イボレハ間違エテモ、俺ハ間違エナイ！」
『ちょっ、地味に悪口言ってるし…。』

Aは呆れながらも扉を叩くも、留守なのか返事が返ってこない。

『留守かな？』
「扉ヲ開ケテ見タラドウダ？」
『留守なんだから開くわけ…開いたわ。』

おいおい、冨岡さん。
いくらなんでも無用心では⁉

簡単にガラガラと音を立てて開いた扉に顔が引きつりつつも、もう一度声を上げてみる。

『冨岡さーん！牛村です！いらっしゃいますか？』

そもそも、彼は返事するのか？と思って待ってみる事にしたら、玄関先に草履が３つある事に気付く。

(３つ…？何故？)

ますます謎が深まる冨岡さんの家に少し恐怖を抱きながら帰ろうとすると、何故かこの家の持ち主とは違う高めの声の人物が顔を見せた。

「Aじゃないか！」
『え、炭治郎…？』
「出迎えるのが遅れてしまってすまない！見ての通り俺はまだ包帯が解けてなくて…あ！義勇さんなら今お茶を用意しに行ってるよ！」
『あ、うん。』

いや、何で出迎える前にお茶用意してんのあの人…。

色々と聞きたい事はあるんだけど、取り敢えず上がる事にした。

『まだ足は治りそうにないの？』
「骨折が今回酷かったらしくて、もう少しかかるみたいなんだよ。それよりもAは何で義勇さんに？」

稽古の件か？と言われたが私は首を横に振った。

『稽古とは別の件だよ。柱合会議の時に聞きそびれた事があったから。』
「そうか…柱も忙しいんだな。」
『そ、そうゆう事にしておいて。』

関係ない内容なんだよねなんて思いながら炭治郎の後をついて行く。

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