宇髄さんの所のお弟子さん

ナニって何!? ページ19

「やはり鬼の血鬼術が完全には解けきってないですね。処方箋は出しているので毎日欠かさず服薬して下さいね？」
『…はい。』

この人もだ。
しのぶさん…頭の中、記憶の中では名前と声は一致してる。
でも何故だろう、さっきから顔を見るたびモヤがかかっていて思い出そうとすると妙に気持ち悪くなる。

しのぶさんが退出したのを確認した後に私は4人に謝罪した。

『すみません…お見苦しい所を。』
「いいのよ！まだ目覚めて時間が経ってないし、体が慣れてないのよ！」
『…そう、ですね。』
「そう落ち込むなよ、出すもんはド派手に出しておいた方が楽だぞ？」
『…。』
「A？」

しかし思った通りの反応がないのか師匠の心配そうな声が耳に届いた。

『ごめんなさい…まだ記憶の整理がついてなくて、皆さんの事は全て忘れているわけじゃなくて…部分的に欠けていて、確証がないからどう接したらいいのか分からなくて怖いんですっ。』
「焦るな。記憶なんかよりも、お前が生きて帰ってきてくれた事が一番の手土産だよ。」

師匠の言葉に頷く3人に本当に心配をかけてしまったと反省した。

「そう言えば冨岡の様子がおかしかったが、何かあったのか？」
『おかしいとは…？』
「急に来たかと思えば突然アイツ土下座してきてよ、お前を嫁にくれって言ってきやがって！状況が状況だから突っぱねたが、それでも毎日嫁にくれ嫁にくれってしつけーんだよ！」
「そうでしたね、何かと有名どころのお菓子とか持ってきたりしてましたもんね〜。」
「お互い譲らない感じでしたね。」
「言えないような事をしたりして？」
『…。』

須磨の何気ない一言に汗を流しながら固まるAに宇随と嫁３人は目が点になる。

「え、まじでナニかあったのか!?」
『そんなワケないじゃないですか！な、何言ってるんですか！』
「それならナニがあったか言えるよな⁉」

ガシっと肩を掴まれ凄く必死な宇随にAは若干引き気味に答える。

『だ、だから別に何もないですって！弟子で何を想像してるんですか！』
「わからねーだろおー⁉じゃぁ何であの冨岡が必死になって俺の所に来るんだよ！どう見たってお前らにナニかあったからだろ⁉」
『何度言えば納得するんですか！仮に何があっても言う義理はないでしょ！』
「やっぱりあったんだな！俺や嫁たちが計り知れないナニが！」
『どんなだよ！もういいわ！』

久しぶりの言い合いは疲れたAがふて寝する形で終わりを告げた。

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