宇髄さんの所のお弟子さん

目覚め ページ18

『う…。』

腹に鈍い痛みと視界一杯に差し込む光に、どうやら私はあれからまだ死ねてない事がわかった。

「っ！目が覚めたのね！」
『え…と。』

目が覚めると目の前に豊満な胸が見えて一瞬何事かと思ったけど、額に置かれている手拭いを交換してくれたのか、しようとしてたんだなと理解する。

「血気術で記憶が曖昧になってるって、色々としのぶさんと冨岡さんから聞いたわっ、私は須磨よ！貴方の義理ではあるけどお母さんなの！覚えてる？」
『須磨、さん…？』

知ってる気が…するけど…何故だろう…この感じ。

「そう！あと2人貴方の母親がいるんだけど…。」
『ふ、2人⁉…あ、でも…確かにいた、かも。』
「やっぱり血鬼術の効果がまだ完全には抜け切れないのね…。」

少し悲しげな声をあげる須磨さんにすごく胸が痛んだ。

『ごめん、なさい…。』
「謝らないで、一番辛いのはAちゃんなんだから。」
『でも…。』

違うの…須磨さん。
私が謝りたいのはもっと違う事。
名前と声は思い出せて来てもあと一つ…その一つが思い出せない。

「…本当はね、Aちゃんはしのぶさんの所で療養するのが一番なんだろうけど、それを天元様が珍しく断固拒否しちゃって…でも運ばれてきたAちゃんは凄く重症だからって事で私達がしのぶさんのところに暫くお世話になる事になったの！」
『…しのぶさん…それって…鬼殺隊？』
「そう！そうよ！待っててね！今しのぶさんと「A…？Aっ！」

須磨さんが部屋から出ようとしたら出入り口から2人の女性に支えられ、屈強な人が私を見た途端、2人の存在を忘れたように押し除けて私の元へやって来たのだ。
後ろの2人が“天元様！”と言っているがお構いなしだ。

『ちょっ、煩っもう少し静かに出来ないんですかっ…師匠？』

ダメだこの人も…頭の中がぐちゃぐちゃになってて気持ち悪い。

「馬鹿野郎！お前っ1週間も目覚さないでっ！俺達がどれだけ心配したとっ」
『う…。』
「「「「A／ちゃん？」」」」
『おぇええええっ』

なんと名前は4人の前で嘔吐してしまったのだ。


(内容少し変更しました。)

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