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神隠し偏:16 ページ17

『うっ!』
「A!」

Aの腕の肉片が取り込まれたのか、腕からは尋常ではないほどの血が流れていた。

「ククク…俺からAを奪おうとしたこと、後悔するがいい!」

Aの血肉を取り入れたせいか、鬼の額からは2つの角が飛び出し、眼光が今まで以上に鋭く変化した。
しかし、冨岡は腕を押さえながら苦しむAを目にして酷い怒りが体をめぐる。

「…好いた女の苦しみすら気付かない男が愛を語るな!」
「っ半々羽織!?」

物凄い速さで冨岡は鬼の元へと突っ込むが刀は構えておらず、しかし戻ってきた冨岡の腕にはAが抱えられていた。

「貴様ぁあ!!」

冨岡はAを救出する際に鬼の首を斬っていたらしく、呆気なくゴトッと床に鈍い音をたてて落ちたのだ。

「A、今止血する。我慢できるか?」
『う…私の事はいいから…逃げてくださいっ。』
「何を言ってんだ!この半々羽織が鬼の首を切っただろうがよ!」
『いいから逃げっ…ーつ!』
「させるかっ!」
「半々羽織!!」

鬼は切断された己が体を動かし冨岡の影を捉えると、影を操られた冨岡がAを抱えながら後ろから刀を突きさしていた。

「なっ!?」
『冨岡さん…お怪我はないですか…?』
「AっA!」

Aは両手で刃を冨岡の方へ行かないように力を込めて押さえ、刀が刺さっているのにも関わらず冨岡を落ち着かせるように優しく微笑む。

「っ(何故お前は自分の幸せを優先しないんだっ!)」

冨岡の悲痛な心情とは裏腹に、鬼はその行動さえ読めていたとでも言うのか高笑いをあげる。

「はははは!どーだ!己が手で仲間を殺める感触はっ気持ちはっ!絶対にAは渡さないっ!
例えこの体が朽ち果てようと、Aは俺と共にっ…」

鬼がその先を喋れなかったのは伊之助によって顔を潰されたからだ。

「…半々羽織、お前は操られていただけで何も悪くねぇ。悪いのは全部鬼だ。」
「だが俺はっ」
『そうですよ冨岡さん…。』

そっと血塗れの手が冨岡の頬に伸ばされる。

『助けに来てくれて…ありがとうございま、す。』

その言葉を最後にAは意識を失った。

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ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 無一郎君もまだまだ活躍するので温かい目で見守って頂いただけると嬉しいです(〃ω〃) (2020年2月25日 22時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 推しが夢主に惚れたら(//∇//) (2020年2月25日 21時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 読んでいただきありがとうございますっ今回は本当、今までしてこなかった恋愛パートをド派手にぶっ込んでみました笑笑本当宇髄さんの胃にいくつ穴が開くのやら…今後の男性陣が末恐ろしいです笑 (2020年2月24日 18時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 煉獄さん、炭治郎…。夢主めっちゃモテてスゴイです!派手派手ですねww。そのまま伊黒さんと無一郎くんも夢主に惚れるのかな〜。続き楽しみです (2020年2月24日 17時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» この世界の宇髄さんはもう子供離れする事が最大の課題ですね笑リクエストありがとうございます!私もそろそろ無一郎君や風柱との絡みも考えていたところです!ご期待に添えるような内容になれるかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします! (2020年2月23日 17時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年2月12日 10時

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