守る-2 ページ5
『ん・・・。』
「A!!」
意識が戻ったのか、Aが起き上がると槇寿郎と瑠火が駆け寄る。
『父上?母上?杏寿郎は・・・?』
「杏寿郎なら隣に。」
『ほんとだ、よかったぁ。』
本当は火傷が沁みて痛いハズなのに、己が身よりも弟の身を案ずる姿を見て二人は心を痛める。
そんな二人を見てAは何を思ったのか、目を伏せて謝ったのだ。
そんな姿に瑠火は顔を押さえて涙を流し、槇寿郎も顔をしかめながら瑠火の肩を抱き寄せる。
「なんで、謝るのです?」
「お前は何も悪くないんだぞ?」
しかしAは首を横に振る。
『二人を悲しませてしまいました・・・ごめんなさい。』
「バカ者!親なのだから当たり前だ!」
「そうよ!むしろ私の方が貴女に甘えてしまったばかりにっ!」
悲しむ瑠火にAは再び首を横に振って笑顔を浮かべた。
『私が守るって決めたんです、杏寿郎を。だから全然苦しくないです。』
本当に嬉しそうに笑うAに二人は返す言葉も出てこなかった。
『例え、手と足がもげて目を抉り取られようとも、杏寿郎は絶対に守り抜きます、この命に代えても・・・だって大好きな二人の子供だから。』
「っ」
Aが杏寿郎に向ける顔が、5年前に殺めた彼女の母親の最期の顔と重なった。
「あぁ・・・お前の子供は本当に立派に育っているよ。」
槇寿郎の言葉は誰に聞かれる訳でもなく、その場に消えていった。
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時